2022 Fiscal Year Research-status Report
ロタワクチン定期接種化:真の安全性・有効性・選択圧の評価モデル構築と流行株の変化
Project/Area Number |
21K07776
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
津川 毅 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00631863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本庄 紗帆 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00808363) [Withdrawn]
赤根 祐介 札幌医科大学, 医学部, 助教 (20759112)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ロタウイルス / ロタウイルス胃腸炎 / ワクチン / 腸重積症 |
Outline of Annual Research Achievements |
①ロタウイルス胃腸炎の入院数は、2020年が11例、2021年は0例であったが、2022年も9例と、COVID-19による学校閉鎖(2020年3月-5月)後の著明に減少した状態が持続していた。また、2020年10月にロタウイルスワクチンが定期接種化されたが、この減少持続がワクチンの有効性によるものか、COVID-19流行や感染対策による効果かについての判断は現時点で困難である。②ロタウイルス胃腸炎の減少は、2022年も継続しており、流行状況や流行株の解析が困難な状態となっている。③札幌市の定期接種化後(1年6か月)における、生後15週0日を超えてのロタウイルスワクチン初回接種率は0.8%(140/16,843)であった。この割合はロタウイルスワクチン市販後調査での8%(21,567)の1/10程度の水準であり、定期接種化後における初回接種の推奨生後週数の遵守傾向が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020-2022年の入院数が激減したため、新規ロタ遺伝子型の解析は困難であったが、札幌市におけるロタワクチン定期接種化後の初回接種の生後週数の解析ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、①ロタウイルス胃腸炎の入院数・臨床像(2020-2022年)のアンケート調査、②ロタウイルス遺伝子型解析については新規陽性検体の確保が難しい状況も予想されるため、2019年までの陽性検体の解析を中心に行う。③札幌市におけるロタワクチンの初回接種週数・接種率の解析を継続する。④腸重積症(2017-2022年)の入院数・臨床像のアンケート調査と原因ウイルス解析を行うことにより、2020年10月のロタウイルスワクチン定期接種化後の影響について検討を行う。
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