2021 Fiscal Year Research-status Report
Methylation of genes related to cardiovascular and chronic kidney diseases in preterm low birth weight infants born to mothers with hypertensive disorders of pregnancy
Project/Area Number |
21K07779
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
河野 由美 自治医科大学, 医学部, 教授 (50243390)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神保 恵理子 (藤田恵理子) 自治医科大学, 医学部, 講師 (20291651)
大口 昭英 自治医科大学, 医学部, 教授 (10306136)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | メチル化 / 妊娠高血圧症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠高血圧症候群(HDP)を発症した母体や早産低出生体重児では、心血管系疾患、慢性腎疾患の発症のリスクが高く、その機序は明かではないが、ストレス反応や血管内皮機能に関連する遺伝子のエピゲノム変化の関与が考えられている。しかし、これまでHDP母体と出生児で同時にこれらの遺伝子におこるメチル化変化は検討されていない。本研究では、HDP合併母体とその児(HDP母児群)およびHDP非合併母体とその児(コントロール母児群)でGCR(NR3C1)、HIF1α、eNOS遺伝子のメチル化率を比較することを目的とした。令和3年度は、1) HDP母児群とコントロール母児群として早産低出生体重児例を対象とし、妊娠中母体血、臍帯血、児の退院後の血液を、それぞれ2ml採取し、前述の3遺伝子のプロモータ領域のCpGメチル化解析を行うこと、2)母体のHDPの重症度、妊娠経過、在胎期間、出生体重等の周産期情報、児のNICU入院期間中の合併症と治療、1歳6か月頃の血圧、体格計測値についての臨床情報を用いることについて、研究機関の倫理委員会の審査をへて承認をうけた。メチル化率の測定はできるだけ同時に行うことが望ましいため、測定サンプル数が総数40を越えた時点で測定する予定である。文献検索の結果、メチル化測定のターゲット領域は、GCR:exon 1F(-3492~-3082)、eNOS:core promoter (-100~-51), proximal promoter (-361, -352), shear stress response element (-992~-976), hypoxia response element (-5375, -5369)、HIF1α:promoter 領域のhypoxia response element (HRE)とすることを決めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の対象は、研究機関で出生したHDP母児と早産低出生体重児を出産したコントロール群の母児であるが、臍帯血や新生児の血液を用いた、他の臨床研究も実施されている。そのため、対象の負担を減らし、効率よく試料を使用できるよう、試料採取を計画して倫理審査を受けた。研究計画と申請までに時間を要し、承認を受けるのが遅れたため試料採取の開始がやや遅れる結果となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に、血液試料の採取時の保存方法を確立したので、令和4年度、5年度で同意取得、試料採取を目標対象数まで継続し、試料を保存する。対象数を増やすため、先行研究の保存試料の使用について、対象に該当する例に対し、外来受診時に説明し同意を得る。GCR、eNOS、HIF1αのDNA メチル化率測定のためのプライマーを作成する。解析対象数が20組40例に達した時点で、母体血、臍帯血およびNICU 退院後血液の各遺伝子のCpGサイトの1回目のメチル化率測定を行う。同時に、対象のHDPの病態、在胎期間、出生体重、NICU 入院中の合併症や治療等の情報を収集する。 最終年度の令和6年度には3つの遺伝子のCpG 各サイトのDNA メチル化率とHDPの関係について統計学的手法を用いて検討する。
|
Causes of Carryover |
理由:倫理審査の申請までに時間を要し、同意の取得と試料採取の開始が遅れた。そのため、試料の保管とDNA抽出の準備のための消耗品の購入のみ経費を使用した。メチル化解析は、精度とコストの面からできるだけ一度に行うことが望ましいことからメチル化解析に必要な消耗品の購入は令和4年度に繰り越し、人件費、旅費の支払いも不要となった。 使用計画:令和4年度には、20組以上の対象の試料が収集と同意取得が見込まれている。目標対象数の20組40名以上の試料が収集できた時点で1回目のメチル化測定を行う予定である。このため令和4年度、5年度では消耗品物品、人件費の使用額の増加が見込まれる。
|
Research Products
(1 results)