2023 Fiscal Year Annual Research Report
Pathological analysis and drug screening using iPS cells derived from Fabry disease patients
Project/Area Number |
21K07785
|
Research Institution | Southen Tohoku Research Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
衞藤 義勝 一般財団法人脳神経疾患研究所, 先端医療研究センター, センター長 (50056909)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 任司 一般財団法人脳神経疾患研究所, 先端医療研究センター, 研究員 (50791042)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ファブリー病 / 血管内皮細胞 / グロボトリアオシルセラミド (Gb3) / Tube formation assay / SMADシグナル / ヒートショックプロテイン |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、昨年度より着手していたファブリー病患者由来iPS細胞より血管内皮細胞への分化誘導法の検討を行い、効率良く短期間で血管内皮細胞様の細胞を得ることができた。未分化マーカー(OCT3/4、NANOG) の遺伝子発現は低下しており、血管内皮細胞特異的マーカー (PECAM1、VE-cadherinなど) の発現を認めている。また、蛍光免疫染色にてVE-cadherinと蓄積物であるGb3の共染色を行った。VE-cadherinは良く染まっているものの、Gb3の染まりは細胞株毎に異なり、染まっている細胞の数は非常に少なかった。さらにTube formation assayを行い、内皮細胞の血管構成能を確認した。健常人およびファブリー病の血管内皮細胞共に血管を構成しており、大きな差は認められなかった。Hyo-Sang Doらの報告 (EBioMedicine.2020) ではファブリー病のTube formation assayによる血管形成に障害が起きていると報告されているが、同様な現象は認められなかった。ファブリー病のSMADシグナルの亢進やトロンボスポンジン-1の活性化を阻害するSB431542やLSKLなどの薬剤も検証したが、血管形成能に差は認められなかった。Gb3の蓄積がほとんど認められていない為、報告されているような現象が再現できていないと考えられる。培養日数や培養液などの培養環境を今後検討していく必要がある。 一方で、ファブリー病患者由来皮膚線維芽細胞を用いて、ヒートショック誘発剤によるα-ガラクトシダーゼ酵素活性の上昇を検証した。性別によって酵素活性が少し上昇する症例もあるが、有意な差は認めていない。 本研究では患者線維芽細胞よりiPS細胞を樹立、神経細胞・血管内皮細胞への分化誘導、薬剤スクリーニングの評価系を確立し、今後これらを活かし、有効な薬剤を探索する。
|
-
-
-
-
-
-
[Book] ライソゾーム病2023
Author(s)
衞藤義勝、奥山虎之
Total Pages
307
Publisher
診断と治療社
ISBN
978-4-7878-2597-1