2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K07786
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Research Institution | Saitama Children's Medical Center |
Principal Investigator |
佐藤 智 埼玉県立小児医療センター (臨床研究部), 感染免疫科, 医長 (60385028)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 若年性皮膚筋炎 / 間質性肺炎 / 関節炎 / 新型コロナウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
若年性皮膚筋炎は小児期に発症する自己免疫性筋炎である。現在も発症原因は不明である。様々な筋炎特異的自己抗体が同定されており抗MDA5抗体、抗TIF1γ抗体、抗Mi2抗体をはじめとして臨床応用されている。特に抗MDA5抗体抗体陽性の若年性皮膚筋炎は筋炎症状のみならず、間質性肺炎や皮膚潰瘍、関節炎など症状がさまざまである。また、間質性肺炎合併例はステロイドをはじめとする様々な免疫抑制剤に対しても治療抵抗性を示し予後不良な経過をたどる場合がある。MDA5は樹状細胞やマクロファージの細胞質内に局在するタンパク質である。主に二本鎖RNAウイルスセンサーとしてⅠ型IFNs・炎症性サイトカインを誘導し、自然免疫系としてウイルス感染防御に関わっている。従来より若年性皮膚筋炎の発症起点としてウイルス感染が挙げられている。実臨床においてもウイルス感染と若年性皮膚筋炎との関連性を検討している。新型コロナウイルスはRNAウイルスであり、小児においては小児多系統炎症性症候群(Multisystem Inflammatory Syndrome in Children;MIS-C)といった、炎症性疾患として新たな疾患概念が報告された。一方で、皮膚筋炎との関連性は報告できていない。若年性皮膚筋炎の新規患者数が減少しており、組織的な検討が十分ではなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウイルス感染症として、新型コロナウイルス感染流行を認めていた。若年性皮膚筋炎の新規入院が減少した。そのため、予定している生検を用いた検討が、十分に行われていない。
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Strategy for Future Research Activity |
疾患モデルマウス(間質性肺炎モデルマウス、自己免疫疾患モデルマウス)をもちいてMDA5が介する自己抗体産生、臓器障害を解明する。
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Causes of Carryover |
若年性皮膚筋炎の新規患者が少なかったため組織を用いた検討が十分ではなかったため。
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