2023 Fiscal Year Research-status Report
小児期シェーグレン症侯群におけるCD38による腺外組織障害への進展機序の解明
Project/Area Number |
21K07801
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金城 紀子 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70253987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 聡 琉球大学, 病院, 講師 (00510083)
中西 浩一 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50336880)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 小児期発症自己免疫疾患 / 一次性シェーグレン症候群 / 腺外症状 / 腺症状 / CD38 / CD138 / FACS解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児期発症の一次性シェーグレン症侯群について、当科で経験した5症例について、腺症状が主体である2症例と腺外症状を有する3症例について、CD38陽性細胞の関与を検討している。 現在のところ、初発時の患者末梢血単核球を用いて、細胞表面マーカー(CD19,CD20, CD27, CD38)をFACS解析を行っているが、腺外症状(ネフローゼ症候群合併、筋炎合併など)の高い疾患活動性を有する時は、CD38陽性細胞が増加していることがわかった。さらに、治療(ステロイド、免疫抑制剤薬)開始後に疾患活動性が低くなった場合と比較検討するとCD38陽性細胞が減少しており、疾患活動性への関与が示唆されている。 一方、腺外症状を有さない症例においては、治療前からCD38陽性細胞の増加は認められず、治療後も変化を認めない。 今後、小児期発症の一次性シェーグレン症候群の患者について、腺外障害の有無によるCD38陽性細胞の関与について、症例数を増やして検討する予定である。自己抗体産生が主な病態である他の膠原病として、小児期発症SLE患者においても、CD38陽性細胞の関与を検討しており、小児期発症SLEとシェーグレン症候群の疾患活動聖が高い時に関与する細胞の違いについて、FACS解析を用いて検討を行う予定である。 さらに、抗CD138抗体を用いて、late plasmablastから形質細胞へ分化した細胞の関与があるかどうかも検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一次性シェーグレン症候群の小児期発症例が少なく、さらに、今回の研究対象である腺外症状を有する症例が少なかった。そのため、解析に用いる検体の収集に時間を要している。 二次性シェーグレン症候群を含めると症例数は多くなるが、合併疾患(SLE、JIAなど)に対して治療が開始されているため、シェーグレン症候群自体の病態を表しているとは言えない。そのため、現在、小児期発症の一次性シェーグレン症候群の症例をリクルートしており、検体数を増やす努力をおこなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
小児期発症の一次性シェーグレン症候群の症例数が5例以上にならない場合、現在ある3症例と小児期発症の他の膠原病(特にSLE)と比較検討し、CD38とCD138陽性細胞の関与について解析を行っていく予定である。 さらに、腺外症状を有する症例において、治療経過中の細胞解析を行い、治療前と治療後でどのように変化していくかを検討し、病態に関与する細胞を明らかにしていくことを目標とする。
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Causes of Carryover |
現在、症例数を増やして解析をおこなっており、解析結果の学会発表や論文化にいたっていない。そのため、FACS解析に必要な薬品の購入や、サイトカインの測定について施行されておらず、次年度使用額が生じたと考えられる。 今年度は、症例数を増やし、さらに解析対象を広げて検討を行う予定である。
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