2023 Fiscal Year Research-status Report
腎芽腫患児の代謝物網羅解析によるバイオマーカーの探索と創薬への挑戦
Project/Area Number |
21K07805
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
田中 裕次郎 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90382928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 毅 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (50567592)
内田 広夫 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40275699)
檜 顕成 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (90383257)
大島 一夫 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20764880)
城田 千代栄 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20378194)
田井中 貴久 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (30378195)
住田 亙 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (70437044)
横田 一樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60721090) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 腎芽腫 / 液体クロマトグラフィー質量分析法 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎芽腫(ウイルムス腫瘍)は小児の腎臓に発生する代表的な悪性腫瘍であり、遺伝子異常,合併奇形,関連症候群を呈することが知られている。がん化に伴う遺伝子変異が代謝変動に寄与することは知られているが、増殖・浸潤・転移などがんの進展における代謝リプログラミングの役割については未だ不明な点が多い。また小児がんのうち、神経芽腫や肝芽腫はバイオマーカーがあるが、腎芽腫では臨床で簡便に使用できるバイオマーカーが無く、現行の治療法では未だ十分な治療効果が期待できない。がん細胞に特異的な代謝系を見出すことができれば正常細胞の代謝系との違いを標的とする新たながんの治療戦略となる可能性がある。腎芽腫に特異的な代謝系を見出すことを目標に、生体内の情報を鋭敏且つ包括的に捉えやすいメタボロミクスに着目し、第一段階として、収集かつ代謝物の安定性の高い尿検体を研究サンプルとする。本研究は、がん細胞に特異的な代謝系を見出すことにより、正常細胞の代謝系との違いを標的とする新たながんの治療戦略の開発を目指す。腎芽腫の尿中代謝物を同定し、尿中代謝物が腎芽腫のマーカーになりうるか検討する。実際に2023年度は腎芽腫患児と健常コントロール患児の尿サンプルを臨床情報と共に収集、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)で尿中代謝物を測定解析(神経芽腫39サンプル、健常コントロール117サンプル)し、疾患貢献度の高い尿中代謝物(オスモラリティー補正)を比較検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に腎芽腫尿サンプル(39サンプル)とコントロールサンプル(117サンプル)を臨床情報付きで収集し、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)で測定した。現在データ解析中。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き腎芽腫尿サンプル及びコントロールサンプルを収集し、腎芽腫に貢献度の高い代謝物の特定を目指す。
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Causes of Carryover |
現在も代謝物解析を継続中であり、それに伴い次年度使用額が生じた。引き続き、代謝物解析に使用し、またデータ解析にも使用する予定である。
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