CCL8制御で介入した移植片対宿主病における病態解析の基礎的研究

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K07823
• Research Institution: Sapporo Medical University
• Principal Investigator: 五十嵐 敬太 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70580017)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山本 雅樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80404664) ; 赤根 祐介 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20759112) ; 浜田 亮 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70786144)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: CCL8 / 移植片対宿主病 / 造血幹細胞移植 / マウス

Outline of Annual Research Achievements

ドナーとしてC57BL/6(B6)マウス(H-2b, I-Ab)、レシピエントとしてBALB/cマウス(H-2d, I-Ad)を使用し、レシピエントマウスにドナーマウスの骨髄細胞と脾臓細胞を移植することで致死的急性移植片対宿主病(GVHD)を誘導した。
ドナーがB6-野生型(WT)でレシピエントがBALB/c-WTマウスの移植群と、ドナーがB6-CCL8ノックアウト(CCL8KO)マウスでレシピエントが同じくBALB/c-WTの移植群のアウトカムを比較した。移植後の体重減少に有意差はなく、移植後day1とday4のELISA測定による末梢血のCCL8発現も同等であった。両移植群ともに移植後day7までには全例早期死亡し、log-rank検定では生存率に差を認めなかった。
結果から、ドナーのCCL8欠損は重症GVHDを誘導する移植モデルでは生存率に影響を与えないことが示唆された。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルス流行の影響により、診療時間が拡大し研究時間を取れなかった。また、それと合わせて動物実験施設の移転があり、遺伝子改変マウスの購入や繁殖管理に手間取り当初予想していたスケジュールでマウスの移植実験ができなかった。

Strategy for Future Research Activity

今後、ドナーがC57BL/6(B6)マウスでレシピエントがBALB/cの移植モデルにおいて、レシピエントのみCCL8欠損の移植群のデータを追加し、FACSによるT細胞等免疫細胞発現や炎症性サイトカインの発現、病理や肝機能、重症度スコア、生存についての解析をすすめていく。
その後、ドナーにB6-Tg(CAG-EGFP)マウスを用いて、蛍光整体イメージングにより移植後のドナー細胞の動向を観察解析する予定である。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス流行の影響により、診療時間が拡大し研究時間を取れなかった。また、それと合わせて動物実験施設の移転があり、遺伝子改変マウスの購入や繁殖管理に手間取り当初予想していたスケジュールでマウスの移植実験ができなかった。
次年度に、遺伝子改変マウスを改めて購入し施設内繁殖を行い、追加のマウス移植実験を行う。繰越分をその費用に当てる予定である。