2022 Fiscal Year Research-status Report
肺胞マクロファージに注目したウイルス感染症による気管支喘息の発症促進機序の解明
Project/Area Number |
21K07824
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
尾関 和芳 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (30745948)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 孝泰 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (50587334)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | TLR7 / imiquimod / ブタクサ花粉 / 気道アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
TLR7のリガンドであるimiquimodが肺胞マクロファージの活性化に与える影響を初年度(令和3年度)にex vivo、in vivoで実験系の確立を試みた。ex vivoでは系を確立したものの、in vivoでは良い結果が得られていなかった。ex vivoではマウスの肺胞洗浄液から分離した肺胞マクロファージに対して、ブタクサ花粉で刺激を行い、IL-1αの酸性を認めている。imiquimodはその産生を増強することが明らかになった。 今年度(令和4年度)は少し視点を変えて、マウスの肺のシングルセルRNAシークエンス解析を行い、気道でのtlr7の分布を評価した。in vivoで実験系を確立できなかったことを考察する上で、様々な細胞でどのようなtlr7発現を認めるかは重要な情報と考えた。 シングルセル解析ではいくつかのクラスターを認め、内皮細胞、上皮細胞、線維芽細胞の他、様々な免疫細胞(肺胞マクロファージ、間質マクロファージ、樹状細胞、T細胞、B細胞)などを同定した。tlr7は肺胞マクロファージと間質マクロファージが主な発現細胞であった。一方で、樹状細胞、気道上皮細胞、T細胞、B細胞にはほとんど発現を認めていない。 この情報により、今後は肺胞マクロファージと間質マクロファージに注目して、imiquimodがin vivoでどのような作用機序を発揮するか、実験を進め評価することが可能である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ex vivoの系は確立したものの、in vivoの系が仮説どおりに確立できていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
ex vivoの解析系はさらなる評価を進めていく。in vivoの系については、シングルセル解析を手元で行ったものの、専門的なバイオインフォマティクス解析が必要と考える。
|
Causes of Carryover |
in vivoの実験計画が遅れている。しかし、シングルセル解析で膨大な解析データが手元にあり、次年度はバイオインフォマティクス解析のため、繰越金を使用予定である。
|