2023 Fiscal Year Annual Research Report
小児期発症自己免疫性肝疾患の新規バイオマーカーと病因遺伝子の探索
Project/Area Number |
21K07832
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
水落 建輝 久留米大学, 医学部, 准教授 (20368921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西小森 隆太 久留米大学, 医学部, 教授 (70359800)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自己免疫性肝疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自己免疫性肝炎と原発性硬化性胆管炎を中心とした、小児の自己免疫性肝疾患の新たな血清バイオマーカーと病因遺伝子の探索を目的として多施設研究を展開している。 本年度の研究成果は以下の通りである。 まず2023年度は、自己免疫性肝炎、原発性硬化性胆管炎、原因不明の慢性肝炎など、15例の血液検体を用いて、3回目の網羅的遺伝子パネル(44遺伝子)解析を行った。また、40例の血清検体を用いてELISA分析を行った。3年間の網羅的遺伝子解析と血清分析で得られたデータを統計学的手法を用いて解析し、後述する成果を得た。 3年間の研究成果は以下の通りである。 合計49例の自己免疫性肝炎もしくは原発性硬化性胆管炎の網羅的遺伝子解析を行い、遺伝子「X」のミッセンス変異「Y」の保有率が、日本人データベースの変異割合に比べて統計学的有意に頻度が高いことを同定した。この遺伝子「X」のミッセンス変異「Y」は、小児期に自己免疫性肝疾患を発症しやすい疾患関連遺伝子変異の可能性が示唆された。 血清マーカーに関しては、3年間の分析で同定した血清マーカー「A」に関して、ALTやGGTが正常値の自己免疫性肝疾患群、肝疾患コントロール群(ウイルス性慢性肝炎など)、肝疾患のない健常小児群、以上の3群、合計60例以上をELISA分析した。自己免疫性肝疾患群の血清マーカー「A」は、肝疾患コントロール群、健常群に比べ、統計学的有意差をもって上昇していた。この結果は、血清マーカー「A」が小児の自己免疫性肝疾患の早期診断や病勢の評価に、ALTやGGTより優れている可能性を示唆している。
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