2021 Fiscal Year Research-status Report
Research for the pathogenesis of kaposiform lymphangiomatosis in PIK3CA/RAS signal pathway
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21K07838
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小関 道夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (60444303)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リンパ管腫症 |
Outline of Annual Research Achievements |
カポジ型リンパ管腫症(Kaposiform lymphangiomatosis: KLA)は全身にリンパ管組織が増殖する進行性の希少難治性疾患であるリンパ管腫症で、近年、KLAの病変部位より、血管・リンパ管新生に重要な経路である「PIK3/RASシグナル」の遺伝子変異が検出されたが、その遺伝子異常がどのようにKLAの臨床像を引き起こすかどうかは不明である。本研究課題では、これらのシグナル伝達経路に着目し、KLAの病態を解明し、その経路に対する分子標的薬の治療効果を検証する。今回、患者由来細胞から培養樹立したKLA細胞を用い、細胞増殖や脈管形成能、血管新生などの評価を行った。培地内のサイトカインを測定し、正常細胞と比較する。またMTTアッセイによる細胞増殖解析および、細胞外マトリックスゲルを用いたチューブフォーメーションアッセイ、血管新生についても解析した。その結果を国際誌に報告した(Single-cell analysis of kaposiform lymphangiomatosis tissue derived cells, PBC 2021)。また本疾患で頻度の高いNRAS Q61R遺伝子変異を正常血管・リンパ管内皮細胞などの培養細胞にウイルスベクター等を用いて遺伝子導入し、導入細胞と導入の無い正常細胞とを比率を変えて共培養した。比率の違いによって、増殖の違いや管腔構造の違いがあるかどうか検証した。その結果をまとめ、投稿準備中である。また低頻度の体細胞モザイク変異を持つモデルマウスを作製し、タモキシフェンの投与量や投与時期によって変異の起こる時期や変異率を調整させる研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に患者由来細胞を用いた研究結果を国際誌に報告している(Single-cell analysis of kaposiform lymphangiomatosis tissue derived cells, PBC 2021)。また現在、本疾患で頻度の高いNRAS Q61R遺伝子変異を正常血管・リンパ管内皮細胞などの培養細胞にウイルスベクター等を用いて遺伝子導入し、導入細胞と導入の無い正常細胞とを比率を変えて共培養した。比率の違いによって、増殖の違いや管腔構造の違いがあるかどうか検証し、論文を作成中である。またモデルマウスの作製も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中に、NRAS遺伝子変異導入細胞株の論文は発表する。またモデルマウスについても完成後、速やかに論文発表をすることとする。
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Causes of Carryover |
消耗品(実験のキット)を購入する際に、端数が出てしまい、15,990円が残金となった。残金を合わせて次年度に再度必要な消耗品に使用する予定。
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Research Products
(26 results)