2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of neurological disoders in neonatal jaaundice
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21K07844
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
大西 新 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 特任教授 (00507014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 茂文 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (50294369)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | セロトニン伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
軽度ビリルビン脳症(BIND)モデル動物であるGunnラットは統合失調症モデル動物やADHDモデル動物と類似した行動障害を露呈するが、その背景にある脳機能障害メカニズムは明らかになっていない。そこで、Gunnラットの脳高次機能に深く関与する神経伝達物資であるドーパミンとセロトニン伝達について詳細に調べた結果、前頭葉においてセロトニン伝達機能が亢進していることが明らかになった。更に、この伝達を5HT2Aアンタゴニストであるケタンセリンによってブロックしたところ、その行動障害が改善したことを報告した(Miura 2022)。このケタンセリンはヒトではQT延長が報告されていることから、実際の患者への投与は難しい。その他にも類似の5HT2Aアンタゴニストとしてリタンセリンがある。そこで、この薬剤をGunnラットに投与してその効果を解析した結果、ケタンセリンと同様行動障害が改善したが、ケタンセリン同様ヒトではQT延長がある。セロトニン伝達は5HT1Aアゴニストでも減弱させることができることから、8OH-DPATをGunnラットに投与し行動実験おこなった。その結果、オープンフィールドテストによってGunnラット特有の行動障害を改善することが明らかになった。5HT1AアゴニストとしてはQT延長が報告されていない化合物が複数報告されていることから、ヒトへの応用の可能性が期待される。セロトニン伝達は様々な種類のセロトニン受容体で制御されていることから、5HT1Bなどをターゲットに検証を続ける。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの薬理学的検証によってGunnラットにみられる行動障害の背景に過剰なセロトニン伝達があることの強固なエビデンスを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
更なる可能性を広げるために、オートレセプターとして働く5HT1Bアゴニストについても検討を進める。
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Causes of Carryover |
一部の実験が今年度にずれ込んだため。
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