2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K07845
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
綾 邦彦 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (20379762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内田 守 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (80213635)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | MCLMR症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
MCLMR症候群(Microcephaly with or without chorioretinopathy,lymphedema,or mental retardation)は、ある輸送蛋白の異常が原因と考えられている。症状は多彩で、小頭症、網脈絡膜症を含む眼疾患、下肢の先天性リンパ浮腫、軽度から中度の知的障害以外に、筋力低下、静脈瘤、肺血管異常、口蓋裂、糖尿病、線維肉腫、糸球体症、蛋白尿、反復性皮膚感染症、反復性尿路感染症、重複腎、脊髄くも膜嚢胞、尿細管間質性腎炎、翼状頸、蜂窩織炎、ファロー四徴症など様々 な症状が報告されている(syndromefinder.ncchd.go.jp/UR-DBMS/)。また 本輸送蛋白は、中枢神経、心血管、呼吸器、膵臓を含む消化器、腎尿路、精巣を含む男性生殖器、卵巣を含む女性生殖器、皮膚、リンパ組織、骨髄、内分泌器官など広範囲に発現しており(proteinatlas.org)多彩な症状を発症することとよく相関する。本輸送蛋白の通常のノックアウトマウスが胎生致死であるため、本輸送蛋白のコンディショナルノックアウトマウスは、現時点では最適な本疾患のモ デルマウスになりうると考えられる。これを解析することでMCLMR症候群における本輸送蛋白の役割を明らかにすることができると推測される。また、表現系を詳細に解析することで、各症状自体の発症メカニズムの解明にもつながることが期待される。マウスの系統維持を行いながら、妊娠マウスを使って、胎齢の異なる胎児マウスに時期特異的に本輸送蛋白をノックアウトする実験を行った。ノックアウトしたマウスとしなかったマウスの病理所見の違いの確認や免疫組織染色を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの妊娠率が低下したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本輸送蛋白をノックアウトした胎児マウスの表現系の詳細な検討を行う。
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Causes of Carryover |
物品費等が節約できたため次年度使用が生じた。2022年度に残った593,040円は、2023年度に表現系の解析に必要な物品や試薬など消耗品の購入に使用予定。
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