2022 Fiscal Year Research-status Report
優性遺伝性成長ホルモン欠損モデルマウスの作製と成長ホルモン分泌不全発症機序の解明
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21K07849
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
有安 大典 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 客員助教 (60338100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 喜美 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 教授 (90211705)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 成長ホルモン分泌不全 / トランスクリプトーム解析 / 小胞体ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
優性遺伝性GH1遺伝子異常症モデルマウスにおけるGH分泌不全の分子生物学的機序を解明するため、マウスの内因性Gh遺伝子のexon 3をCRISPR/Cas9を用いて欠失させたモデルマウスを作製し、申請者らが先行研究で樹立したヒトGH1遺伝子ノックインマウスと同等か、より重症な表現型を得ることに成功した。このマウスを用いて以下2つのstrategyで研究を進めている。 ①小胞体に局在するexon3が欠失したGH(Δ3GH)が小胞体ストレスを引き起こすかどうか、マウス下垂体を用いたリアルタイムRTPCRやウェスタンブロッティング、TUNEL染色を行う。Xbp1遺伝子のスプライシング変化を検出する方法をスクリーニングとして用い、違いが見られた週数のマウスを用いてよりextensiveに解析を進める方針である。 ②Gh KOマウス(-/-)と、片アリルにΔ3Ghを有するマウス(-/Δ3)を用いて、下垂体のtranscriptome解析を行うことで、Δ3GHによる下垂体細胞の転写産物への影響を網羅的に解析する。 また、Δ3 GHを本来発現しない別の臓器にてCAGプロモーター下で発現させることで、下垂体で起こっている現象をより簡便に、より顕著に検出し、疾患の発症機序解明を目指す方法も模索している。内分泌臓器としては、分泌機構を持ち小胞体の発達した膵β細胞や、アクセスしやすい副腎などを考えている。組織量が採取しやすいものとして肝臓があげられるが小胞体などの分泌機構が異なるため注意が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CRISPR/Cas9を用いたマウス内因性Gh遺伝子exon 3欠失マウスが順調に作成でき、期待する表現型が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
transcriptomeの結果の解析を進め、Δ3 GHが細胞内で及ぼす影響を解明していく。
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Causes of Carryover |
当該年度はCOVID-19の流行などの影響で、樹立できる予定であったマウスラインがいくつか予定通りに樹立できなかったこともあり、諸経費が未使用となった。しかし、次年度については他臓器におけるΔ3 GHの強制発現マウスも含め、マウスラインが滞りなく樹立できる見込みが十分にあるため、解析のために計上した金額は問題なく使用できると考えている。
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Research Products
(2 results)