2021 Fiscal Year Research-status Report
新規PIK3CD遺伝子変異によるSLE発症機構を解明する
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21K07850
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
清田 今日子 大分大学, 医学部, 医員 (30774492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 真紀 大分大学, 医学部, 助教 (20726913)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | PIK3CD / SLE / 機能獲得型変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
PIK3CD遺伝子は、先天性の免疫不全の原因遺伝子である。今回PIK3CD遺伝子の新規変異を持ち、SLEをはじめ複数の自己免疫疾患を発症した症例を経験した。この症例では免疫不全は生じていなかったが、PIK3CD遺伝子の機能獲得型変異の免疫不全には、そのおよそ40%に自己免疫疾患を合併することがわかっている。したがって、今回、新規変異の機能解析を行うことで、PIK3CD遺伝子により、自己免疫疾患を生じる機序の解明を行うことを目的としている。 PIK3CDの新規変異が機能獲得型であるかをin vitroでマウスT細胞株に遺伝子導入を行い、ウエスタンブロッティング法やフローサイトメトリーを用いて解析をした。その結果、機能獲得型変異であることがわかった。さらに遺伝子変異が導入された細胞は、活性化誘導細胞死が生じやすいことがわかった。PI3Kの構造変化があるのかを、免疫沈降法を用いて検証したところ、PI3Kの構造には変化が生じていないことがわかった。 また、ヒトPIK3CD遺伝子変異が生体に及ぼす影響についてトランスジェニックゼブラフィッシュTg(ubi: PIK3CD,-P2A-EGFP)を作製して検討したところ、新規変異Tg zebrafishは腫瘤を形成することが明らかとなった。また、腫瘤部位を組織学的に解析したところS6のリン酸化が有意に上昇し、腫瘤の形成に伴って、Tg zebrafishでは、WTに比べ生存率の低下が見られた。 これらのことから、生体内においてもR512Wが、PI3K/Akt/mTOR1経路が活性化していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変動物、Tg(ubi: PIK3CD,-P2A-EGFP)を作製し、表現型として腫瘤形成をしたことを確認しているが、次世代を作製することができなかった。元々PIK3CD遺伝子は、血球特異的に発現をしている遺伝子のために、全身発現をさせることで次世代の作製が困難であった可能性を考えている。そのため、血球機能の解析まではできなかったために、血球に特異的に遺伝子を発現する改変動物を作製し直しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、新規PIK3CD変異の生体内での影響について、解析をするために遺伝子改変動物を作製し直しているところである。今後、その動物を用いて血球の機能解析をフローサイトメトリーによって、実施する予定である。 また、遺伝子改変動物での解析と並行し、マウスのプライマリーT細胞を用いて、新規変異のPIK3CD遺伝子発現させ、さらに分化誘導を行い、野生型と差があるのかを確認する予定である。
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Causes of Carryover |
遺伝子改変動物を作製の途中であり、機能解析が十分にできていないために、次年度使用額が発生した。 今後、遺伝子改変動物作製およびその解析に助成金を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)