2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new treatment for lymphatic malformations with COX-2 inhibitors
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21K07851
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岡本 康裕 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30398002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 祐一 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (20535695)
中川 俊輔 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (60789973)
西川 拓朗 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (90535725)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リンパ管奇形 / COX-2阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスの内皮細胞であるRCB1994細胞にPIK3CA変異(p.E542K)を組み込んだベクターをエレクトロポレーションで遺伝子導入した。クローニングを行い、clone 1を用いて実験を行った。 Clone 1にCOX-2阻害薬を添加した培養では、Tube formationは非添加時に比べ、面積にして759% (以下、n = 12)に減少した。細胞数は41%に減少した。COX-2作用の下流にあるPGE2をPGE2測定CLIA キットで測定すると、COX-2阻害薬添加時には培養液中のPGE2は63%に減少した。HIF1αの蛋白発現はWestern blotで54%に減少した。VEGF120の蛋白発現は51%に減少した。以上より、COX-2阻害薬にはリンパ管内皮細胞において、増殖抑制効果があることがわかった。これらの作用は、PGE2―HIF1α―VEGF経路を介していることも推測された。テロメアーゼ活性はCOX-阻害薬添加時は、非添加時に比べ75%に減少した。その結果、caspase 3活性は1.85倍になった。MTTアッセイでは、COX-阻害薬添加によって27%に減少した。 COX-阻害薬の作用を救済するために、PGE2またはVEFG120を添加した。PGE2添加時には、非添加時に比べ、tube formationは1.3倍、細胞数は2.2倍となった。COX-阻害薬非添加時のそれぞれ98%、88%まで回復した。VEGF120による救済では、非救済時の1.23倍にtube formationは回復し、細胞数は2.16倍になった。COX-阻害薬非添加時のそれぞれ99%と99%に回復した。 以上からCOX-2阻害薬の効果は、下流のPGE2やVEGF120によって救済され、COX-2阻害薬がPGE2やVEGF120を介してtube formationを抑制していることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初代培養細胞に遺伝子導入することは依然として成功していない。その他の研究は、進捗は概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
COX-2阻害薬の作用と、そのtube formationの抑制が、下流のPGE2やVEGF120によって救済されることがわかったが、シグナルの抑制程度と、表現型の間には少し乖離がある。これらは、PGE2やVEGF120を介さない経路が存在することを示している。COX-2がより臨床的な効果を得るためには、PGE2やVEGF120を介さない経路を解明する必要がある。このためには、PIK3CA変異を導入した細胞株を用いて、遺伝子発現、蛋白発現などを網羅的に検討する必要がある。
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Research Products
(7 results)