• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

フォンタン循環における肺動静脈瘻の機序解明

Research Project

Project/Area Number 21K07852
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

川村 順平  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70838656)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 上野 健太郎  鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (20644892)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords肺動静脈瘻 / グレン手術 / 低酸素血症 / 先天性心疾患 / miRNA / HIF 1-α / VEGF / PHLPP2
Outline of Annual Research Achievements

グレン手術後の肺動静脈奇形(G-PAVMs)に関して、我々は肺動脈血液中のHepatic growth factorに着目したが患者血清での有意差は見られなかった。循環する数々のmicroRNA(miRNA)が血管新生に関わっており、G-PAVMsにおいてもmiRNAについて検討した。
鹿児島大学病院で心臓カテーテル治療を受けた0歳から6歳の小児から採取したG-PAVMsとその他の血清でマイクロアレイin situハイブリダイゼーション研究を実施した。グレン手術後の患者の血清中のmiRNAのうち、Fontan後の同一患者の血清と比較してシグナルが2倍以上であったもの、およびコントロール患者を選出した。miR-25-3pの発現を3群間で比較したところ、グレン手術後群の肺動脈血液では、他の2群に比べmiR-25-3pが有意に高値であった。また、in vivtroの実験では、miR-25-3p mimicをトランスフェクションしたHMVEC-L(Human Microvascular Endothelial Cell - Lung)では、コントロールよりもPHLPP2の発現が有意に低下し、p-Akt/Aktとp-mTOR/mTORが増加した。低酸素刺激後、HIF 1-αとVEGFAの発現は、miR-25-3pを導入したHMVEC-Lでコントロールよりも増加した。 miR-25-3pは低酸素状態においてHMVEC -Lの血管新生、増殖、移動を促進することが示された。HMVEC-Lにおいて、miR-25-3pはPHLPP2遺伝子の発現を抑制し、HIF 1-α/VEGF/VEGFR axisの活性化を促進する。G-PAVM患者では、miR-25-3pが肺動脈に豊富に存在し、PAVMの発症に寄与している可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

グレン手術後の肺動静脈奇形(G-PAVMs)に関して、実験計画段階では肺動脈血液中のHepatic growth factorに着目したいたが、患者血清での有意差は見られなかった。しかし循環する数々のmicroRNA(miRNA)が血管新生に関わっている点に着目し、G-PAVMsにおいてもmiRNAについて検討したところ、マイクロアレイや血清中のreal-time RT-PCRによりmiR-25-3pが特異的に上昇していることが分かった。miR-25-3pがターゲットとしている蛋白を精査したところ、血管新生やHIF/VEGF axisと関連していることが判明し、実際にin vitroでもそのことが証明された。よって、当初検討していたことは順調に進展しなかったが、当初計画しているもの以外での進展が確認できたため、おおむね順調といえる。

Strategy for Future Research Activity

グレン手術後の肺動静脈奇形(G-PAVMs)がmiR-25-3pであり、血管新生を誘導していることをさらに確認していく。具体的には直接のターゲットとなっているPHLPP2の発現を調節した血管内皮細胞で、細胞の形態変化やシグナル変化を確認する。また、G-PAVMs患者でmiR-25-3pが高発現している理由を探るために、血管へのshear stressや低酸素刺激に対する細胞のmiR-25-3p分泌についても検討する。

Causes of Carryover

物品費購入後に少額の端数が生じたが、他に使用する用途がなかったため。特に今後使用する計画はない。

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi