2023 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the relationship between complement and pediatric vasculitis; the possibility of anti-complement therapy as a novel treatment
Project/Area Number |
21K07853
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
伊藤 秀一 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (20336572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 明生 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 免疫アレルギー・感染研究部, 室長 (10359705) [Withdrawn]
松本 健治 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 免疫アレルギー・感染研究部, 部長 (60181765)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 川崎病 / 血管炎 / 補体 / 好中球 / C5 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は川崎病(KD)患者における補体と自然免疫細胞の相互作用、重症度や予後予測との相関を検証し,抗補体薬が新規治療薬候補となりうるか検討することを目的としている.先行研究において急性期KD患者の血液中においてC5b-9、C5a、Baが上昇しており,新規川崎病患者6名における好中球表面抗原においてC5aレセプターであるCD88の有意な低下を認めた.また、活性酸素能の上昇や脱顆粒の上昇など、好中球活性化を示唆する所見が得られた。これは、C5aが好中球のCD88レセプターに結合後、内在化され、好中球活性化を起こしている可能性を示唆している。 今年度は、実際にC5aが心臓血管病変に関与しているかを調べるために、川崎病モデルマウスであるLCWEマウスを用いた検討を行った。Lactobacullus caseiから抽出した菌体抽出物 (Lactobacillus casei cell wall extract: LCWE) をC57B/6Jマウスに腹腔内投与し、冠動脈炎を発症させた。d1、d3、d7、d14に白血球の表面抗原、血清C5a、RNA定量、および心臓組織の評価を行った。LCWE投与マウスにおいて、d1、d3の血清C5aはPBS投与群と比較して有意な上昇を認めた。好中球上のCD88抗原は低下しており、ヒト検体と同様の結果であった。また、全血のPCRにおいてC5a受容体 (C5aR1) の発言が増加していることがわかった。現在、LCWE投与マウスの組織の免疫染色を行っており、局所への好中球の遊走やC5aの沈着を確認する予定である。さらにヒト好中球の解析と並行しつつ、LCWEマウスの組織評価および血管や末梢血における炎症系サイトカイン、補体発現などの評価を行っていく.最終的に抗C5a受容体アンタゴニストを投与し、血管炎の発症を抑制できるか確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス組織の免疫染色の検討を行っているが、染色がうまくいかず、現在染色方法の条件検討を行っている。また、ヒト検体において患者登録は増えたものの、もう少し登録数を増やしたいと考えているため、現在リクルートを進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はヒト好中球の解析と並行しつつ、LCWEマウスの組織評価および血管や末梢血における炎症系サイトカイン、補体発現などの評価を行っていく.最終的に抗C5a受容体アンタゴニストを投与し、血管炎の発症を抑制できるか確認する予定である。
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Causes of Carryover |
マウスモデルの確立に時間を要したため多数頭を用いたLactobacullus casei菌体抽出物の投与実験の開始が遅れたために、動物および試薬を大量購入しなかった。今年度はモデルの確立が成功したため、残額を全て使用する予定である。
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Research Products
(4 results)