2022 Fiscal Year Research-status Report
RSV感染症克服のための経年的RSV臨床分離株に対する中和抗体の質的検討
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21K07868
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
郷 勇人 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30443857)
佐藤 晶論 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60423795)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | RSV / 塩基配列 / F蛋白 / 中和エピトープ |
Outline of Annual Research Achievements |
RSVのウイルス粒子の外套(エンベロープ)には中和活性に関連するG蛋白、F蛋白、SH蛋白のスパイク蛋白がある。これら3つの蛋白のうちF蛋白のみが細胞への感染に不可欠であり、さらにF蛋白はエピトープ部分の塩基配列がよく保存されており、中和エピトープとして適している。 本研究の目的は「RSV感染症克服」を最終命題に、経年変化するRSVの臨床分離株への中和抗活性と中和エピトープの遺伝子配列の変化を明らかにし、中和エピトープの質的評価をすることである。そのために、「中和抗体価の交差性、持続性」、「中和エピトープの変化」を明らかにする。当講座で保存しているヒト血清(2012年、2016年、2020年に同一者80人より採取)240検体、および2004年から2020年(約15シーズン)に渡り当講座で分離、保存してきた、RSV臨床分離株150株を使用する。臨床分離株(RSVサブタイプA、サブタイプB、各種遺伝子型)に対する保存血清中の中和抗体価を細胞培養法にて、中和エピトープ、サイト0に対する抗体価はELISA法にて測定する。さらに、RSVの中和エピトープの塩基配列はダイレクトシークエンス法にて解析する。一方で、RSV感染マウスモデルを用い、異なるサブタイプ/遺伝子型ウイルスでの再感染後の重症度変化、採取血清の各ウイルスの中和能についても検討する。 2022年度は、RSVの中和エピトープの塩基配列の確定のため、講座に保有しているRSV臨床分離株150株よりRNAを抽出し、中和エピトープのサイトII、サイト0(zero)についてPCRの後、ダイレクトシークエンスを実施した。また、RSVのエピトープ特異的的抗体に関する論文が「Viruses」に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りおおむね進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通りに進める。
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Causes of Carryover |
ウイルス遺伝子解析を中心に進めてきたため、実施予定のELISA、細胞培養に関わる経費の支出が少なかったため次年度使用額が生じた。 次年度は、計画書通りに研究を進める。
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Research Products
(1 results)