2022 Fiscal Year Research-status Report
3次元心エコー検査による早産児の動脈管開存症の重症度評価と検者間誤差の研究
Project/Area Number |
21K07879
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Research Institution | Kanagawa Children's Medical Center (Clinical Research Institute) |
Principal Investigator |
豊島 勝昭 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (50307542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増谷 聡 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10316739)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 早産児 / 動脈管開存症 / 心エコー検査 / 3次元エコー / スペックルトラッキング法 |
Outline of Annual Research Achievements |
早産児の予後改善には頭蓋内出血や肺出血の予防が重要である。動脈管開存症(PDA)の循環管理はその中核をなすが、PDAの評価法・治療開始基準・治療法について、世界的なコンセンサスはない。我々は、国内34施設の前方視的研究(PLASE研究)で早産児のPDAにおける心エコー検査の有用性や各指標の信頼性に関する科学的根拠を創出した。しかし、従来の心エコー評価には大きな検者間誤差が存在した。検者間誤差の少ない心エコー検査の開発は、循環管理の向上につながり得る。 スペックルトラッキングを用いた3次元心エコー法・2次元ストレイン評価は心機能の半自動解析が可能で、検者間誤差が少なく信頼性が高いことが成人で示された。我々はこれらの評価法が早産児に応用できることを報告した。本研究では、在胎23~29週で出生した早産児(3年間、約100名)の日齢O,1,2、PDAに対する手術前後において、スペックルトラッキングを用いた3次元心エコー検査・2次元ストレインによる新しい左室・左房・右室の機能指標を計測し、死亡や重篤な後遺症を予測するかを前方視的観察型研究として検討する。併せて、在胎30週未満の早産児の日齢O,1,2における3D心エコー検査・2Dストレインの標準値作成や検査者間差異を検討する予定である。本年度までで在胎30週未満の早産児91名の検査を終了している。早産児において3次元心エコー検査・2次元ストレインの標準値作成が可能と考えている。検査者間差異の検討を終え、精度の高い検査になりうると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例登録が順調に進んでいる。検査者間差異の検討などの研究は既に終了できている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は引き続き、心エコー検査の目標である在胎30週未満の早産児100名を目指してデータ収集する。データ収集を終え次第、結果解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス感染症の流行などの影響により支出が予想より少なかったために次年度使用額が生じたが、研究解析や結果報告について使用する予定である。
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