2023 Fiscal Year Research-status Report
ヒストン脱メチル化酵素阻害剤による膵管癌に対する新たな腫瘍免疫療法の開発
Project/Area Number |
21K07882
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川久保 和道 北海道大学, 大学病院, 助教 (80633578)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 膵癌 / Epigenetics |
Outline of Annual Research Achievements |
KDM5阻害剤が、膵癌細胞株に対して、どのような影響を与えているのかを調べるため、KDM5阻害剤群とコントロール群において、遺伝子発現量の変化を、RNAシーケンシングを行った。KDM5A-Dは、H3K4me3からH3K4me2に脱メチル化することにより、各種遺伝子の発現を抑制する方向に働くため、KDM5により阻害することにより、各種遺伝子発現が増加することが予想されたが、実際、発現が有意に低下する遺伝子はなく、有意に発現する遺伝子群が確認された。 そのなかから、分子Xが、今回候補遺伝子が抽出された。分子Xについて、qPCRにて、KDM5阻害剤による発現量の上昇を調べたところ、KDM5阻害剤にて発現が上昇することを確認した。分子Xについて、TCGAデータベースで調べてみると、高発現群で予後が良好であった。一方、腫瘍組織と正常組織の間では、有意な発現量の違いは認められなかった。 2種類のshRNAを用いて、分子Xをノックダウンした膵癌細胞株において、コントロール細胞とくらべて、細胞生存率の上昇を認めた。また、分子Xを強制発現した膵癌細胞株においては、コントロール細胞と比べて、細胞生存率の低下を認めた。以上より、分子Xは、膵癌細胞株においては、癌を抑制する方向に働くものと思われ、KDM5阻害により分子Xが上昇し、膵癌細胞株の増殖を抑制する可能性が示された。今後、詳細なメカニズムを検討するべく、Chipシーケンシングを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Chipシーケンシングの条件設定に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
Chipシーケンシングにより、KDM5阻害剤がどのように、分子Xを制御しているのかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
Chipシーケンシングの条件設定に時間を要し、次年度に行うことになったため。
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[Journal Article] ERCP using balloon-assisted endoscopes versus EUS-guided treatment for common bile duct stones in Roux-en-Y gastrectomy2024
Author(s)
Sato T, Nakai Y, Kogure H, Mitsuyama T, Shimatani M, Uemura S, Iwashita T, Tanisaka Y, Itoi T, Kin T, Katanuma A, Kashima K, Irisawa A, Iwasaki E, Yoshida A, Takenaka M, Himei H, Kato H, Masuda A, Shiomi H, Kawakubo K, Kuwatani M, Otsuka T, Matsubara S, Nishioka N, Ogura T, Tamura T, Kitano M, Yasuda I, Fujishiro M
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Journal Title
Gastrointestinal Endoscopy
Volume: 99
Pages: 193~203.e5
DOI
Peer Reviewed
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