2023 Fiscal Year Annual Research Report
潰瘍性大腸炎感受性遺伝子MIR622の感受性メカニズムの解明と臨床的応用の探索
Project/Area Number |
21K07884
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木内 喜孝 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (20250780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 洋一 東北大学, 医学系研究科, 講師 (50509205)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / MIR622遺伝子 / GWAS / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
日本で急増している潰瘍性大腸炎は、欧米と比較しその発症にかかわる遺伝因子が十分に解明されていない。東北大学が開発した日本人用ジェノタイピングアレイJaponica Arrayを用いたゲノムワイド相関解析(GWAS)により申請者らは先行研究で新たな日本人固有の潰瘍性大腸炎の疾患感受性遺伝子候補としてMIR622遺伝子を見出した。MIR622がコードするmiR-622のようなMicro-RNAは、一般に標的遺伝子のmRNAを不安定化、翻訳抑制を行う。miR-622の主要なターゲットとしてケモカイン受容体であるCXCR4が同定されている。CXCR4は血球細胞に定常的に発現しており、白血球の遊走に関与している。CXCL12/CXCR4系は関節リウマチなどの慢性炎症性疾患に関与すると以前から考えられており、潰瘍性大腸炎患者では腸管粘膜でも炎症の程度に伴って、CXCR4を高発現しているIgG産生形質細胞が増加している(Gut. 2013)。MIR622の感受性遺伝子としての位置付けを明らかにするため、①東アジア人種でのメタ解析による相関解析、②アリルによるMIR622遺伝子周囲のメチル化の差、③血清中のmiR-622とアリルとの関連、④血清中のmiR-622のバイオマーカーとしての意義について検討を行った。その結果、①東アジア人種のメタ解析においては、有意な相関としては検出することができなかった。②アリル間でのMIR622遺伝子周囲のメチル化についても有意差を確認することができなかった。③④血清中のmiR-622の検討では、潰瘍性大腸炎臨床表現型との相関を認めなかった。
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[Journal Article] Genetic architecture of the inflammatory bowel diseases across East Asian and European ancestries.2023
Author(s)
Liu Z, Liu R, Gao H, Jung S, Gao X, Sun R, Liu X, Kim Y, Lee HS, Kawai Y, Nagasaki M, Umeno J, Tokunaga K, Kinouchi Y, et al
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Journal Title
Nat Genet.
Volume: 55
Pages: 796-806
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research