2022 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子導入によるラット胆管癌モデルの確立と浸潤能評価による病態マーカー開発
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21K07889
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五十嵐 聡 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (50790953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺井 崇二 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00332809)
上村 顕也 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (00579146)
横尾 健 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (80750629)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 胆管癌 / ラット胆管発癌モデル / ハイドロダイナミック遺伝子導入法 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイドロダイナミック遺伝子導入法(HGD)によるラット胆管特異的な遺伝子導入のための注入パラメータを確立する。 血管経由でのHGDによるラット膵発癌モデルの血液プロテオーム解析により、診断マーカーを検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1. 血管経由でのHGDによる胆管への遺伝子導入の評価 ラット門脈を結紮し上腸間膜静脈(SMV)からHGDを行うと、大部分は膵臓特異的に遺伝子導入されるが、一部分は胆管周囲の静脈叢を介し胆管壁内にも遺伝子導入される可能性が考えられる。HGDを施行した数週間後にsacrificeしたラットの胆管および肝組織を評価すると、胆管壁全層にわたる炎症や過形成を認めた。また、免疫染色などを用い、胆管病変の性質(前癌病変や発癌の有無、悪性度)についても評価している。 2. ラット膵発癌モデルの血液プロテオーム解析による診断マーカーの検証 SMVからのHGDによりKRASG12Dを導入して作成したラット膵癌モデル(Mol Ther Nucleic Acids, 2022)の血液プロテオーム解析を行ったところ、正常のラットと比較して、40種類程度の発現タンパクの差異を認めた。今後、膵癌組織を用いてプロテオーム解析を行い、血液中の発現タンパクと比較することにより、診断マーカーとしての有用性を検証する。
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Strategy for Future Research Activity |
HGDによるラット胆管特異的な遺伝子導入のための注入パラメータを最適化し、それを用いて発癌に関連する遺伝子群の検証と胆管癌モデル動物作成のための標的遺伝子の決定を行う。 また、作成された胆管癌ラットの血液および胆管癌組織でも上記同様にプロテオーム解析を行い、胆管癌特異的な診断マーカーの確立を目指す。
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Causes of Carryover |
ラット胆管経由のHGDおよび回収した組織や血液のプロテオーム解析等の評価を次年度に行うこととなったため、その費用一部を次年度に使用する予定である。
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