2023 Fiscal Year Annual Research Report
ドライバー遺伝子異常に基づいた肝がん個別化薬物療法の構築
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21K07894
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
巽 智秀 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20397699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 尚宏 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10623275)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行肝細胞癌には抗PD-L1抗体・抗VEGF抗体併用療法などの様々な薬物療法が実施される。一方で、それぞれの治療効果は十分ではないが、奏効を規定する因子は明らかではない。そこでマウス肝がんモデルを用いて、抗PD-L1抗体・抗VEGF抗体による癌免疫微小環境の解析を行った。 10種類のがん遺伝子cDNAライブラリーをC57BL6/Jマウスの尾静脈から急速静注により肝細胞に導入することで、約2週間後に遺伝的に多様な肝癌を同一個体内で多数形成させた。このマウスに抗PD-L1抗体/抗VEGF抗体の複合免疫療法を実施し、治療早期の感受性腫瘍と長期治療後の抵抗性腫瘍における癌免疫微小環境を解析した。肝癌マウスモデルにおいて、複合免疫療法により血管新生抑制、腫瘍内のCD8T細胞、CD4T細胞、樹状細胞マーカーの増加、生存期間延長が認められた。治療抵抗性腫瘍では、腫瘍内のリンパ球浸潤(TIL)が乏しく、Cxcl9、CD69、Stat1、Ifng、Gzmb、そして様々なMHCクラスI・IIに属する分子群の有意な発現低下を認めた。進行肝細胞癌において、抗PD-L1抗体・抗VEGF抗体が効果を発揮するためにはTILの存在が重要である可能性が示された。
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Research Products
(5 results)