2021 Fiscal Year Research-status Report
The role of macrophage Iron stress in NASH
Project/Area Number |
21K07914
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
池田 康将 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (60432754)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 鉄 / マクロファージ / NASH |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、既に準備済みであったマクロファージ特異的フェリチン欠損マウス(KO)と対照群の野生型マウス(WT)を用いて、NASHモデルの作成を行なった。 まず、短期間でNASHを誘導可能な当初使用予定であったSTAMマウスの作成を行なった。STZ投与により血糖上昇は認められたものの、野生型でみられる肝重量増加と肝臓線維化がみられないことがあり、複数回の検討でも再現性に乏しく解析が困難であった。そのため、別のNASHモデル作成を検討した。CDAHFD(コリン欠乏アミノ制限高脂肪食)試料によるモデルを作成したが、WT、KOともに体重減少が著しく、また肝臓重量、病理組織像の脂肪蓄積、線維化に差が認められなかった。よって、短期間で作成できるNASHモデルでの解析を断念した。 3ヶ月間の高脂肪食/四塩化炭素/ブドウ糖ショ糖負荷によるNASHモデルの作成を行ない、対象群の正常試料群(ND)と比較した。体重増加に差はみられなかったものの、NASHモデルでは肝臓重量の増加がみられたが、WTに比べてKOではその程度が軽度であった。また、病理組織によるNASとfibrosis scoreの増加もKOで軽減されていた。炎症性サイトカイン(TNF-alpha, MCP-1)の遺伝子発現は、NDマウス群(WT, KO)と比較して、NASH WTマウスでは増加がみられたが、KOマウス群ではその程度は軽度であり、また線維化関連遺伝子(TGF-b1, Col1)の発現増加もKOで軽減されていた。 以上より、高脂肪食/四塩化炭素/ブドウ糖ショ糖負荷によるNASHは、マクロファージ特異的フェリチン欠損によって抑制され、マクロファージ鉄が病態進展に関与することが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今後の計画で使用するNASHモデルを確立した。また、当初の予想通り、WTと比べてKOでのNASH進展の抑制、特に線維化が低減している表現型を確認でき、NASH病態におけるマクロファージ鉄の役割の一旦を明らかにすることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
マクロファージ特異的フェリチン欠損によるNASHの抑制効果について、サンプル数を増やして、再現性があるかさらに検討する。また、マクロファージフェリチン欠損によって細胞内鉄量が減少することを確認している。マクロファージ鉄と線維芽細胞活性化との関連性について、マクロファージとの共培養もしくは条件培地を用いて検討する。単離マクロファージを用いて、フェリチン欠損による遺伝子変動について解析の予定である。
|
Causes of Carryover |
消耗品を発注したものの年度内に納品されなかったため次年度使用額が生じた。 物品が届き次第、その支払いに当てる予定である。
|
Research Products
(12 results)