2022 Fiscal Year Research-status Report
The role of macrophage Iron stress in NASH
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21K07914
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
池田 康将 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (60432754)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 鉄ストレス / マクロファージ / NASH |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も引き続いて、LysMCreFthマウス(KO)と野生型マウス(WT)を用いて、3ヶ月間の高脂肪食/四塩化炭素/ブドウ糖ショ糖負荷によるNASHモデルの作成と解析を継続して行った。前年度に確認した、1)正常飼料群、NASH群ともにWTとKOマウスの間で体重増加に差はみられなかった、2)NASHモデルでの肝臓重量増加は、WTに比べてKOでは軽度であった、3)病理組織に基づくNASとfibrosis scoreの増加がKOで軽減されていた、4)炎症性サイトカインの遺伝子発現は、NDマウス群(WT, KO)と比較してNASHモデルWTマウスでは増加がみられたが、NASHモデルKOマウス群ではその程度は軽度であった、5)NASHモデルでの線維化関連遺伝子の発現増加もKOで軽減されていたことについて、異なった時期で新たに2セット作成して追加解析を行ったところ再現性が確認できた。 NASH誘導による酸化ストレスについて、脂質過酸化4HNEのウエスタンブロット、免疫組織化学ともにWTで増加したが、KOでは抑制されていた。NASHにおけるF4/80マクロファージ浸潤増加とCLS形成もKOで軽減された。線維化経路TGFb1-Smad、炎症性経路JNKの活性化もKOで抑制された。NASHモデルにおける肝臓脂肪酸取り込み・脂質蓄積に関わる遺伝子発現増加、脂肪酸分解に関わる遺伝子発現低下はKOマウスで是正されたが、Fasn, Srebp1cなど脂肪酸合成に関わる遺伝子発現はNASHで増加するもWTとKO間で差を認めなかった ベースラインで腹腔内マクロファージのRNA-seq解析を行い、DEG解析結果を基にエンリッチメント解析を行い、KOのマクロファージでは抗酸化経路、脂質代謝に関与する遺伝子発現が多く含まれていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題で使用するNASHモデルにおけるKOでのNASH進展抑制の表現型の再現性が確認できた。また、マクロファージRNA-seq解析にて、KOにおける酸化ストレスや脂質代謝の関連遺伝子が変化していることが明らかとなった。マクロファージ鉄を減じることによるNASH進展抑制効果とその機序の一旦を示唆する結果を得た。以上のことから概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
マクロファージ特異的に鉄ストレスを減少させることによるNASH抑制効果の分子機序について、NASH肝臓ならびにNASH肝臓からの単離マクロファージを用いて、RNA-seq網羅的解析により発現変動遺伝子を同定し、その表現型に関与する経路を明らかにする。また、このモデルはより長期(24週)飼育によって発がんすると報告されていることから、がん発生の差異ついても検討予定である。
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Research Products
(4 results)