2021 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the onset site and pathological progression process of ulcerative colitis in model mice with luminescence reporter gene
Project/Area Number |
21K07917
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
入江 厚 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (30250343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 直樹 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教 (90304998)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 小胞体ストレス / 発光レポーター / HLA / Akaluc / ERAI |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らが樹立したヒト白血球抗原HLA-DR4のトランスジェニックマウス(以下 HLA-DR4tgm )のホモ接合体は、潰瘍性大腸炎様の炎症性腸疾患を自然発症する。これまでの研究からこの疾患の病因には、HLA-DR4分子の過剰発現による小胞体ストレスと、SPF対象外の腸内細菌( Helicobacter japonicus )が関与することが示されている。 この疾患の病態を可視的に観察するため、ルシフェラーゼの改良型である Akaluc を用いる大腸特異的な小胞体ストレスを検出する発光レポーター遺伝子( ER stress-activated indicator-Akaluc, ERAI-Akaluc )約13kbを構築した。このレポーター遺伝子をB6J 受精卵にインジェクションし、そのトランスジェニックマウスを樹立した。ついで当該マウスと既存のHLA-DR4tgmとの交配を開始した。 いっぽう、抗生剤処理をしてヘリコバクター種を駆除した HLA-DR4tgm のホモ接合体に H. japonicus を投与することにより、人為的に上記病態を再現できることから、H. japonicus は当該病態の起因菌の1つと考えているが、その安定した培養は当初困難であった。しかし試行錯誤の末、微好気環境下での羊脱繊維血液入り寒天培地による培養法が軌道に乗り、必要量の当該菌を随時調製できる目処がついた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って、初年度に ERAI-Akaluc トランスジェニックマウスの樹立と、起因菌である H. japonicus の微好気培養法を確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ERAI-Akaluc と HLA-DR4 両遺伝子を持ち、後者についてはホモ接合体のマウスを、交配により増やす。十分な匹数が確保できたら、起因菌(H. japonicus) 投与前14ー5日間は抗生剤を飲水投与し、抗生剤投与停止後5日めに H. japonicus を投与する。ついで麻酔したマウスの腹腔に発光基質 akalumineを注射し、発光検出器(NightOWL)にマウスを配置して akalumineの赤色光を検出、記録する。エンドポイントにてマウスをと殺した後は、病理組織解析を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延の影響により、学会参加等による旅費、ERAI-Akaluc トランスジーン構築用の試薬ならびに微生物培養用器具、培地等の新規購入、飼育マウス引数などの著減により次年度使用額が生じた。 次年度は予定より多い引数で ERAI-Akaluc トランスジェニックマウス(tgm)とHLA-DR4tgm の飼育・交配を行い、ERAI-Akaluc 遺伝子を持つHLA-DR4ホモ接合体マウスの作成を急ぐ予定である。
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