2023 Fiscal Year Annual Research Report
Immunonutritional approach for innate immune dysregulation in metabolic dysfunction-associated fatty liver disease
Project/Area Number |
21K07922
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池嶋 健一 順天堂大学, 医学部, 教授 (20317382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今 一義 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (30398672)
山科 俊平 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (30338412)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 代謝障害関連脂肪性肝疾患(MAFLD) / メタボリックシンドローム / 非アルコール性脂肪肝炎(NASH) / 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) / サイトカイン・ストーム / リポポリサッカライド(LPS) / エンドトキシン・ショック / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、代謝障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)が肝病態進展に加えてCOVID-19など多くの急性疾患の予後に深く関与する“サイトカインストーム(CS)”の発生に与える影響を解明することを目的とした。本年度は前年度に引き続き、メタボリックシンドロームモデルKK-Ayマウスに高脂肪食(HFD)を摂餌させた際のリポポリサッカライド(LPS)誘発肝障害重症化のメカニズム解析を行った。4週間HFDを摂取したKK-AyマウスではLPS投与後の致死率が有意に上昇し、肝障害も顕著にみられた。KK-AyマウスではHFD摂餌によりLPS投与後の肝組織中でTNFαやIL-1βなどの炎症性サイトカイン発現が亢進し、肝細胞アポトーシス誘導が増強することが判明した。また、KK-AyマウスではLPS投与前の段階でHFD投与により肝組織中でのCCL2、CXCL2およびCXCL10などのケモカイン発現誘導に伴う肝内マクロファージの集積がみられ、LPS受容体TLR4およびCD14発現増強が認められた。さらに肝組織中のIL-6発現誘導に伴う肝細胞からのLPS結合蛋白(LBP)の産生亢進が生じていることが明らかになった。以上の結果より、MASLDの肝病態においては肝組織中での微小炎症に伴う病原体認識機構のプライミングが生じており、感染などの急性疾患合併に伴い容易にCSを惹起しうることが明らかになった。本モデル実験系はMASLDに伴う肝病態進展のみならず、MASLDを背景とした全身性炎症のメカニズム解析に有用であることが示唆され、世界的に有病率が非常に高いMASLDの治療および全身管理の戦略を構築する上で非常に有益なモデルであることが示された。
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