2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K07930
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊田 和宏 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (80420024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 晋 東北大学, 大学病院, 助教 (20451560)
正宗 淳 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90312579)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性膵炎 / 早期慢性膵炎 / 内外分泌相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性膵炎における十二指腸粘膜機能については、十二指腸粘膜を用いた検討を進めている。更に、診療上の必要性から膵液ドレナージ(ENPD)を行った場合には、その排液の一部を分子生物学的検討に用いることとし、研究計画の修正作業を進めているところである。早期慢性膵炎の臨床像については、観察研究の計画に基づき、症例の登録を行い経過観察中である。慢性膵炎における膵外分泌機能と膵内分泌機能(糖尿病)と臨床像の関連については、糖尿病は年齢層別では60代での合併が最も多く(51.2%)、女性より男性での合併が多かった(男性45.9%、女性35.0%)。また喫煙歴がある患者に糖尿病の合併が多かった(喫煙歴なし34.4%、あり47.9%)。糖尿病がない患者に比べ糖尿病を合併している患者にPFD試験低下例が多かった(糖尿病なし68.0%、糖尿病あり82.3%)。アルコール性慢性膵炎については、喫煙経験者が多く、アルコール関連問題(アルコール性肝障害、アルコール依存症)の他に、不眠症や慢性閉塞性肺疾患、胃癌の合併が特発性慢性膵炎より多いことを明らかにした。慢性膵炎におけるサルコペニア については、骨格筋量の低下は膵外分泌機能の低下、栄養摂取量、特に脂質摂取量の低下と関連していたが、日常的な身体活動との明らかな相関は認めなかった。慢性膵炎の疼痛に対しては、内科的治療のほか、侵襲的治療(体外衝撃波膵石破砕術、内視鏡治療、外科的治療)が考慮されるが、侵襲的治療を行わずに疼痛が消失する例もあることを示し、特に高齢者慢性膵炎の疼痛に対しては慎重に方針を決定することが重要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膵液を用いた検討については研究計画の修正中であり、新規の症例登録が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
膵液を用いた検討の研究計画が倫理委員会で承認され次第、症例登録を再開し、膵の状態と十二指腸粘膜機能の関連に関する検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
膵液を用いた分子生物学的な検討がこれからであり、また新型コロナウイルス感染症蔓延により旅費の支出が抑えられたため次年度使用額が生じた。今後、膵液を用いた分子生物学的検討を進めていく計画である。
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