2022 Fiscal Year Research-status Report
1型自己免疫性膵炎における自然免疫の役割と線維化のメカニズム
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21K07943
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
内田 一茂 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (40411516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池浦 司 関西医科大学, 医学部, 准教授 (50454608)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 1型自己免疫性膵炎 / IgG4関連疾患 / 自然免疫 / 線維化 / TGF -βシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は現在まで1型自己免疫性膵炎においてに獲得免疫反応についてはICOS陽性制御性T細胞IgG4産生に関与しており、ICOS陰性制御性T細胞が線維化に関与していることを見出した。この増加した制御性T細胞がなぜ病勢を抑えられないのかという点については、制御性T細胞が制御機能を発揮するためには細胞同士の接着が重要であることが知られているが、その細胞接着に重要なインテグリンを制御するMst-1の発現が1型自己免疫性患者では低下しており、膵外病変が増えるとメチレーションが増加しており、制御性T細胞がその制御機能を発揮できないことを解明した。さらに制御性B細胞(Breg)については、CD19+CD24highCD27+Bregが減少することが発症に関与し、CD19+CD24highCD38highBregは反応性に増加していることを明らかにした。 自然免疫反応においては、M2マクロファージと好塩基球の役割について明らかにしてきた。引き続き自然免疫担当細胞の一つである自然リンパ球につき、患者末梢血中の動態について検討した。膵臓の慢性炎症においては2型もしくは3型自然リンパ球が深く関わっていることを見出した。 自然リンパ球を除く自然免疫担当細胞をフローサイトメトリーを用いて解析した。現在そのデータの解析を行っている。 本疾患においてはstoriform fibrosisが特徴であるが、この線維化は難治性の原因の一つとして挙げ得られている。我々の得られたデータと関係するICOS陰性制 御性T細胞、さらにはM2マクロファージは線維化にも関与していることが知られている。そこで自然免疫担当細胞のデータ解析に並行して、本疾患の過去の膵切除標本におけるTGF-betaシグナルと免疫担当細胞の関係を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床的研究において、TGF-βシグナルの解析を開始できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
自然免疫細胞のデータの解析を終了し論文化する。また臨床検体を用いてTGF-βシグナルについて解析を進める。 動物モデルにおける解析を進める。
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Causes of Carryover |
動物モデルの解析が本格稼働できなかったため。今年度は動物モデルについても検討する。
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Research Products
(11 results)