2021 Fiscal Year Research-status Report
The construction of new risk model for esophageal squamous cell carcinoma
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21K07963
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
卜部 祐司 広島大学, 病院(医), 助教 (10648033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信治 広島大学, 病院(医), 教授 (00260670)
岡 志郎 広島大学, 病院(医), 講師 (30403538)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食道扁平上皮癌 / 非飲酒・非喫煙 / p53 / Ki67 / cyclinD1 / p16 / dMMR |
Outline of Annual Research Achievements |
食道扁平上皮癌(ESCC)は、アセトアルデヒドに起因する発生が主となっている。しかし、近年、飲酒・喫煙に起因しないESCCが認められ、このようなESCCは、新たな疾患概念の一つとして診療体系の確立が求められている。本研究では、飲酒や喫煙の習慣のない患者に発生したSESCCの臨床病理学的特徴とゲノム異常について検討し、飲酒者や喫煙者に発生したSESCCとの相違点を明らかにすることによって新たなESCCの疾患概念を確立することを目的としている。解析は当院で内視鏡治療した女性の表在性ESCC(SESCC) 94症例 120病変のうち、飲酒・喫煙歴のないSESCC49例51病変(非飲酒・非喫煙群)を対象とし、飲酒かつ/または喫煙歴のある45例69病変(飲酒・喫煙群)をコントロールとして解析を行った。2021年度はまず、これらの症例に対して内視鏡所見や家族歴、リスク因子の調査を行った。次に、腫瘍の悪性度とミスマッチ修復遺伝子の異常(dMMR)について免疫組織的染色法(免疫染色)にて検討を行った。腫瘍の悪性度はki67、p63、p16、cyclinD1の免疫染色にて検討を行った。ki67率とp53陽性、p16陽性、cyclinD1陽性の割合は非飲酒・非喫煙群は19.3±1.6、80.4%、5.9%、52.9%であり、飲酒・喫煙群は16.2 ±1.8、79.7%、15.9%、65.2%で両群間に有意差は認めなかった。dMMRはMLH1、MSH2、MSH6、PMS2の免疫染色を施行したところ、MSH6の単独欠損の症例が非飲酒・非喫煙の症例に1例認めただけであり、両群間に差は認めなかった。最後に対象症例からレーザーマイクロダイセクッションを用いて組織を切り出し、gDNAを抽出し、大部分の症例からgDNAの抽出が可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に施行予定であった症例の集積と試料の収集、臨床背景と内視鏡所見の特徴の推定、リスク因子や家族歴の聴取、免疫染色での評価とがんゲノムプロファイリングの解析のための組織からのgDNAの抽出を概ね終了しており、計画段階で施行予定であった研究は行えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、2022年度はがんゲノムプロファイリングの解析と関連SNPの検討、胃酸逆流の評価を行っていく予定である。
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