2022 Fiscal Year Research-status Report
The construction of new risk model for esophageal squamous cell carcinoma
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21K07963
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
卜部 祐司 広島大学, 病院(医), 寄附講座准教授 (10648033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信治 広島大学, 病院(医), 教授 (00260670)
岡 志郎 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30403538)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食道癌 / 食道表在癌 / 非飲酒者 / 非喫煙者 / 内視鏡所見 / がんゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
非飲酒・非喫煙女性の食道扁平上皮癌(ESCC)の臨床病理学的特徴およびゲノム的特徴について検討するため、2008年1月-2019年12月に当院でESDを施行したESCC 884例1198件のESCCのうち,女性に発生した95例118病変を対象とし、飲酒・喫煙歴のない48例50病変(NDNS群),飲酒または喫煙歴のある47例68病変(DS群)の2群に分けて解析を行った。両群間の臨床的病理学的特徴を検討し、切除標本のFFPE切片から癌組織と正常組織からDNAを抽出,ディープシーケンスによる両群間のゲノム特性の差を解析した。解析結果、年齢,body mass index,頭頸部癌既往,同時性・異時性ESCC ,まだら食道,逆流性食道炎,食道裂孔ヘルニア,周在性≦1/4 は両群間に差を認めなかったが、長軸方向の腫瘍部位,短軸方向の腫瘍部位),肉眼型,縦横比>2(長軸径/短軸径) 、内視鏡的角化で両群間に有意差を認めた。病理学的深達度で両群間に有意差を認めなかった。多変量解析により高齢,まだら食道なし,逆流性食道炎ありがNDNS群の独立したリスク因子であった。またがんゲノム解析では、NDNS群ではDS群と比較してCDKN2A病的バリアントの頻度が有意に高く,KMT2D病的バリアントの頻度は有意に低かった。さらに免疫染色にて検証を行った所、がんゲノム解析の結果と同様にNDNS群ではDS群と比較して有意にp16陽性の割合が高く、KMT2Dの陰性の割合が低かった。この結果、高齢の非飲酒・非喫煙女性でまだら食道が少なく逆流性食道炎があると,胸部中部食道後壁に角化を伴う0-IIaの縦長ESCCが発生しやすく,CDKN2A病的バリアントが多く,KMT2D病的バリアントが少ないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画段階で立案した研究計画はすでに終了しているため、このためおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在はこの結果を論文化している最中である。今後は論文化による査読の結果によって追加実験などを考慮していく予定である。
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