2021 Fiscal Year Research-status Report
複合イメージング系による腸管腫瘍ニッチにおけるT細胞動態の可視化
Project/Area Number |
21K07978
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小田柿 智之 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (70740083)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 泰宏 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (20456213)
岡本 隆一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50451935)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | がん免疫 / 上皮間リンパ球 / IEL / 腸管腫瘍 / 大腸癌 / 小腸腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫チェックポイント阻害剤の高い有効性からも、元来生体には免疫系によって腫瘍を排除する機構が備わっていることが示唆される。その一方で腫瘍ニッチにおいては様々な免疫回避機構が存在しており、本機構の解明はより有効な癌免疫療法開発のための鍵であると言える。小腸癌は大腸癌よりもはるかに少ないことが知られているがその理由は不明である。腸管上皮はターンオーバーの早い細胞であり、一定の頻度で細胞レベルの腫瘍化が発生する一方で、免疫細胞がこれを排除していると考えられている。我々は上皮に最も近接し、頻回にコンタクトし、高い細胞障害活性を有する分画を豊富に含むIntraepithelial lymphocytes; IELが上皮細胞を監視し、細胞間接触を介して悪性腫瘍の発生を抑制しているため、小腸には腫瘍が少ないという仮説を立てた。 本研究において、我々は新たに開発した小腸腫瘍内における IEL動態のin vivo live-imagingおよびIELと腸管腫瘍オルガノイドの供培養システムを用いることによって、腸管腫瘍ニッチにおけるIELの動態とIEL-上皮細胞間相互作用を可視化するとともに、IEL-上皮細胞間接触が腸管腫瘍免疫に果たす役割を検証する。 2021年度の研究期間において1)小腸腫瘍自然発症T細胞レポーターマウスの作成、2)小腸腫瘍組織片の透明化による小腸腫瘍ニッチにおけるT細胞3次元配置の可視化、3)3)In vivo live-imagingによる腸管腫瘍ニッチおよび腫瘍/IEL細胞間接触の可視化、4)IEL減少マウスを用いた腸管腫瘍増減の検討をおこなった。小腸腫瘍マウスでは腫瘍内にT細胞は見られるものの、血管周囲に限局しており、上皮細胞との接触は低下していた。実際IELと上皮細胞間の接触が減少するCD103-/-マウスでは小腸腫瘍の増加が見られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既に計画の半分以上が遂行されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、腫瘍オルガノイド-IEL供培養系を用いて、腸管腫瘍免疫におけるIEL-上皮細胞間接触細胞間接触増強因子の抽出を行う。
|
Causes of Carryover |
予定よりも試薬が安く購入できたため。
|