2023 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of risk model of lympho node metastasis for T1 colorectal carcinomas
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21K07981
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 信治 広島大学, 病院(医), 名誉教授 (00260670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
卜部 祐司 広島大学, 病院(医), 寄附講座准教授 (10648033)
岡 志郎 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30403538)
弓削 亮 広島大学, 病院(医), 講師 (70794791)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸T1癌 / がんゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年8月から2020年11月に当院で加療された径20mm以上のLST結節混在型21病変 [男性9例(42.6%),tubular adenoma(TA)4例,Tis癌 13例,T1b癌 3例,T2癌 1例,平均腫瘍径37±11mm]。各症例の結節と辺縁より計73個の組織を全エキソン解析し,公共データベースを用いて病的変異を同定した。同一症例で結節部と辺縁部の遺伝子変異を対比し,腫瘍のクローン進化を検討した。遺伝子変異量(TMB)は2.79±1.51/Mbで,10を超えるTMB-Hは認めなかった。遺伝子変異数と病理所見を比較すると,全変異数では有意な差を認めなかったが,ドライバー変異数がTA, Tis癌, T1癌の順で有意に多かった。JNET分類やpit patternの検討では,JNET 2Aより2Bが IIIL/IV型よりV型が,有意にドライバー変異数が多かった。各症例の検討では,結節,辺縁に共通する変異を全症例で認め,共通する変異は,APCを20例(95%)で,9例(43%)は2nd hitも認めた。APCの変異を認めなかった1例にBRAFの変異を認めた。KRASの変異は16例(76%)に認めた。TA4例の結節では,クローン進化を認めなかったが,結節部がTis癌の13例は,p53経路の変異を2例(TP53 1例,ATM 1例),WNT/TGFB経路の変異を6例(FBXW7 3例,SMAD4 2例,ARID1A 1例),RTK/RAS/MAPK経路の変異を4例(KRAS 1例,NRAS 1例,APC 1例,EGFR 1例)に認めた。上記以外の経路の変異はMTOR 1例であった。3例の結節部にクローン進化を認めなかった。T1以深癌4例の結節部は,PIK経路の変異を3例(PIK3CA 2例,AKT1 1例),RTK/RAS/MAPK経路の変異を1例(ERBB4 1例)に認めた。またPIK経路の変異はT1以深癌以外で認めなかった。
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