2023 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞由来の細胞外小胞の保存法の確立と急性肝不全に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
21K07998
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
芳賀 弘明 山形大学, 医学部, 准教授 (70466613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星川 恭子 山形大学, 医学部, 助教 (20613053)
勝見 智大 山形大学, 医学部, 助教 (70637355)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Extracellular Vesicles / 間葉系幹細胞 / 急性肝不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
劇症肝炎を含む急性肝不全は死亡率が高く、肝臓移植に代わる治療の開発が待たれているが、まだ十分な効果のある治療法は開発されていない。細胞から放出される細胞外小胞であるExtracellular vesicles(EV)内にはprotein、RNA、DNAなどが含まれており、細胞間のコミュニケーションに重要な役割を持っていると考えられている。私たちは間葉系幹細胞由来のEVを用いた急性肝不全の治療の開発を目指している。しかし、間葉系幹細胞の培養液からMSC-EVを抽出するには時間がかかるため、緊急性を有する臨床においてはMSC-EVの有効な保存方法の確立が必要である。本研究では、急性肝不全に対して有効な生理活性を持つMSC-EVの保存法の確立を目的とした。 2023年度にMSC-EVの凍結乾燥保存の検討を行った。5%スクロース、1%スクロースおよびPBSで保存したMSC-EVを比較検討したところ、EV数は3群とも変わらなかったものの、5%スクロースでExosomeの大きさの割合が最も多かった。電子顕微鏡の検討では、1%スクロースおよびPBSで保存されたEVは小胞が壊れているものが多く認められたが、5%スクロースでは形が保たれていた。RNA量の検討では、5%スクロース凍結乾燥MSC-EVでRNA量が最も保たれていた。D-gal(20mg)/TNF-α(0.3μg)の急性肝不全マウスモデルに5%スクロースで凍結乾燥させたMSC-EVと非凍結乾燥のMSC-EVを投与し、比較検討したところ、5%スクロース凍結乾燥MSC-EVにおいても、非凍結乾燥のMSC-EVと同様に急性肝不全マウスモデルの肝酵素の改善が認められた。
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