2021 Fiscal Year Research-status Report
十二指腸乳頭部癌マウスモデルの樹立と幹細胞ニッチ・起源細胞解明
Project/Area Number |
21K08000
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
早田 有希 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60897883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 勇人 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00555609)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 胆管周囲付属腺 / 十二指腸乳頭部癌 / 胆管幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでのマウスの細胞系譜解析を用いた検討から、十二指腸乳頭部の胆管周囲付属腺底部に存在するAxin2陽性細胞が、胆管上皮の幹細胞となると同時に十二指腸乳頭部癌の起源細胞となりうることを見出した。さらにISHによって、乳頭部付属腺の周囲に存在する平滑筋細胞がRspondin3を分泌し、乳頭部胆管付属腺に特異的なWnt活性化ニッチを形成している可能性が示唆された。そこで平滑筋細胞特異的Rspondin3欠損マウスを作製したところ、乳頭部胆管の萎縮と総胆管の代償性増殖反応が確認され、実際のこのWnt活性化ニッチが胆管恒常性維持に重要な役割を果たしていることがわかった。さらにWnt活性化阻害剤を投与することで乳頭部癌の発生を抑制することができたことから、同ニッチはがん治療標的ともなり得る可能性が考えられた。 しかし一方で、Axin2は総胆管の胆管内腔上皮にもところどころ発現しており、実際に乳頭部胆管付属腺からどの程度の高さの胆管まで胆管上皮を供給しているのかわからないという課題が残った。そこで現在、胆管付属腺により特異的なマーカーの同定に取組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乳頭部胆管付属腺の機能および癌起源としての可能性を、ある程度明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回のマウスモデルの結果がヒトにも応用可能かどうかを臨床検体を用いて検証する。さらに前述のように、胆管付属腺により特異的なマーカーの同定に取組む。
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