2021 Fiscal Year Research-status Report
酸化的DNA傷害修復酵素欠損マウス由来肝腫瘍オルガノイドを用いた新規治療法の探索
Project/Area Number |
21K08011
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
田中 信悟 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60561024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
宮西 浩嗣 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (60372819)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / オルガノイド / MUTYH / モデルマウス / 分子標的薬 / in vitroスクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞癌は依然予後不良の疾患であり,分子標的薬導入後の平均生存期間は1年程度である.肝細胞癌の背景肝疾患は多岐にわたり,遺伝子変異も多様かつ低頻度に生じることが報告されている.このことが分子標的薬開発の進まない原因とされ,前臨床段階からの背景肝疾患別アプローチが必要と考えられている.また,分子標的薬の開発において,腫瘍の状態を忠実に反映した新規in vitroスクリーニング試験の開発が強く求められている.申請者らはこれまでに酸化的DNA傷害修復酵素MUTYH欠損マウスに高脂質・高糖質・鉄過剰食を給餌して肝発癌モデルマウス(HCV,NASHモデル)を作成した.本研究の目的は同マウス肝腫瘍由来オルガノイドを作成し,新規肝細胞癌治療薬を探索することである. 研究計画としては,1. MUTYH欠損マウス由来肝腫瘍(HCV,NASHモデル)とヒト肝細胞癌との類似性の評価 (令和3年度),2. MUTYH欠損マウス由来肝腫瘍からのオルガノイド作成 (令和3,4年度),3. 肝腫瘍オルガノイドを用いた抗腫瘍薬スクリーニング (令和4,5年度)と設定し,まず令和3年度は上記1,2に取り組んだ. 上記1についはNASHモデルの肝腫瘍についてデータを取得し,現在比較対象となるヒト肝細胞癌のsomatic mutationデータ(International Cancer Genome Consortium,The Cancer Genome Atlas,Cancer Gene Census)との相同性について解析中である.上記2については,培養法の確立に取り組んでいる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度に当大学の校舎改築および動物実験施設の移転があり,研究が行えない時期が生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
校舎改築および動物実験施設の移転後は予定通り研究が進んでおり,研究ペースを早めることは可能と考える. オルガノイドの培養法の確立については,他の研究者にも助言を求めるなどして,早期の確立を目指す.
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Causes of Carryover |
当初の計画と比べて研究に遅れがあるため,次年度使用額が生じた. 遅れている分の研究を次年度に行う予定であり,次年度の使用とはなるが用途に変更はない. 具体的には各種一般試薬や遺伝子関連試薬などの消耗品費が令和4年度分の予算のみでは不足すると考えられ、令和3年度分の予算と合わせて研究を進める予定である.
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