2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of novel screening strategy predicting risk of colorectal cancer using artificial intelligence
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21K08015
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井上 詠 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (00232546)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸癌検診 / AI / メタボリック症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸がん(colorectal cancer; CRC)の発生、死亡が過去数十年間、本邦では増加している。CRC の発生要因として生活習慣、メタボリック因子との関連が示唆されているが、本邦での両者の関連を示す大規模な報告はない。そこで今回の検討では、CRC の前癌病変と考えられている腺腫性病変の発生に対するリスク因子について、人間ドックにおける大規模な総合的な健診データを用いて検討を行った。 2012 年8 月から2016 年12 月の間に総合的な人間ドック健診を行った10138 名の受診者中、大腸内視鏡検査を受けた者が2832 名、そのうち胸部CT を受検しなかった者を除外した2769 名を対象とした。年齢、性別、身体計測(体格指数(BMI))、CT により計測した内臓脂肪面積(VFA)、血圧、血液生化学的データ、高血圧、脂質異常症、糖尿病の治療歴、さらに飲酒・喫煙習慣を独立変数として検討を行った。大腸腺腫性病変と各変数との関連を単変量解析により評価し、さらに多重ロジスティック回帰モデルを用いた多変量解析により検討を行った。 対象2769 例のうち327 例(11.8%)に大腸腺腫性病変(CRN)を認めた。また、676 例(24.4%)がMets に該当しており、Mets とCRNは有意に相関していた(P<0.01)。単変量解析では性別、年齢、BMI、VFA、LDL コレステロール、中性脂肪、空腹時血糖、HbA1c、インスリン、喫煙、飲酒などがCRN と有意な関連性を認めた。ロジスティック回帰分析では、年齢、喫煙、飲酒、内臓脂肪蓄積、BMI、収縮期血圧、LDL コレステロール、中性脂肪が独立したリスク因子であった。 今回の検討により、加齢、メタボリック要因、喫煙・飲酒習慣が大腸腫瘍発生に対するリスク因子である可能性が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既存の人間ドック健診のデータを用いて大腸腫瘍の発生に関連のあるメタボリック因子、生活習慣を抽出することができたが、アディポサイトカインの測定を含めた項目を受診する新たな受診者のエントリーがまだまだ進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の人間ドック受診者を対象として、アディポサイトカインの測定を含めた項目を受診する新たな受診者のリクルートを募り、エントリーを進める。高分子量(活性型)のアディポネクチンの測定については臨床検査科と連携して行う準備は整っている。
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