2023 Fiscal Year Annual Research Report
肝硬変合併肝がん患者におけるSiglecを介した新たな免疫制御機構の解明
Project/Area Number |
21K08020
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
由雄 祥代 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (10774060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 徹 大阪大学, 高等共創研究院, 教授 (80628595)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肝癌 / ナチュラルキラー細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナチュラルキラー(NK)細胞は抗腫瘍免疫において重要な役割を果たすが、慢性肝炎/肝硬変・肝がん患者においてはその機能が低下している。NK細胞機能は複数の活性型・抑制型受容体の発現パターンにより制御される。今回我々は本研究において、まず加齢がNK細胞に与える影響を検討し、加齢に伴い細胞障害活性を特徴とするCD56dim NKにおけるPD-1・ILT2・Siglec-10・CD57の発現上昇、NKp46・Siglec7・CD160の発現低下を同定した。次に、肝がん患者(HCC)において年齢性別をマッチさせた対照群(HV)と比較し、末梢血中のCD56dimNK細胞頻度の低下、細胞傷害・ADCC活性の低下、ILT2発現が上昇すること、がん部CD56dimNK細胞は、非がん部と比較して、ILT2高発現であることを明らかにした。さらに、加齢により発現上昇し、肝がんによりさらに発現上昇するILT2がMIF-CXCR4の経路により誘導されること、機能低下しているILT2+CD56dimNK細胞が抗ILT2抗体により機能回復する事を見出しました。
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