2021 Fiscal Year Research-status Report
Screening of poor prognostic factors for hepatic complications after Fontan surgery using skeletal muscle and new tissue diagnostics
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21K08030
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小泉 洋平 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師(病院教員) (60596815)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フォンタン術後肝合併症 |
Outline of Annual Research Achievements |
心奇形(単心室等)に対するFontan術を施行された後に、5~10年の経過で約50%がうっ血肝から肝硬変に進展し、中には肝癌を発症する症例がある。この、Fontan術後の肝合併症(FALD, Fontan associated liver disease)は循環器外科と肝臓内科との狭間に存在するために、肝臓精査が遅れ、肝硬変・肝癌へ進行した状態で発見される場合が多い。FALDの病態は多彩で、肝線維化の進行が急速に進行する症例と緩徐な症例の判別、発癌の有無の判別は生命予後に関連するが、その診断方法は確立されていないという学術的「問い」がある。 FALD症例では、予後決定に関するリスク因子は不明であり、線維化進展や生命予後が評価可能なバイオマーカーの確立が必要である。申請者らは成人慢性肝疾患症例での線維化進行は発癌危険因子であり、Elastographyを用いた非侵襲的肝線維化診断の有用性と、最新の2光子励起顕微鏡を用いたSHG(Second harmonic generation)イメージを用いて肝線維化の進行過程を評価してきた。更に、成人肝硬変症例の生命予後には骨格筋量低下(サルコペニア)が危険因子であることを報告している。本研究の目的は、①モデルマウスを用いて、うっ血肝における肝線維化評価とサルコペニアのリスク因子を明らかにする。②マウスでの検討を基に、FALD症例での肝線維化とサルコペニアのリスク因子を明らかにする。③肝硬変への進展リスク群を、Elastographyを用いて非侵襲的に予測可能かを評価する事である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
サルコペニアモデルマウスの下大静脈を50%、70%、90%でそれぞれ結紮することで異なるうっ血の程度のうっ血肝モデルマウスを作成し、9週目の時点で安楽死させたマウスから腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋、長指伸筋、前脛骨筋を摘出し総重量を測定した。現在までのサンプルでは、うっ血の程度が強いマウスの方が、9週目の時点の骨格筋量が低下していた。うっ血の程度がサルコペニアの進展に影響することを示唆する所見であり、今後、ヒト症例において更なる検討を進めていく。ヒト症例では50症例を対象に、骨格筋量と骨格筋バイオマーカーを評価し、FALD症例でサルコペニアが発症するかを明らかにする。また、Elastography装置(RTE、Shear wave elastography(SWE)、Dispersion imaging、Transient elastography(TE))を用いて測定したFALD症例の肝硬度と組織学的因子、心臓カテーテル検査で得られた心係数や右房圧等のパラメータとの相関を調べ、FALDの進展・発癌をElastographyを用いて非侵襲的に予測可能かを明らかにしていく予定である。現在のところ、10症例分のデータが集積されているが、想定よりも症例数が少ない。現在得られているヒトデータでは、最終的なTCPC手術から15年以上経過した症例の方が、骨格筋量が低下している傾向がみられている。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスでの基礎的検討結果をもとに、FALD症例50人を対象に検討を行う。全例にElastography測定、骨格筋定量を、同意の得られた症例に肝生検を行う。研究計画よりも症例数の確保に時間がかかっており、県下の他の病院から対象症例を紹介して貰うことを視野に入れていく。対象症例の確保に時間がかかっている理由としては、もともと希少疾患であり、対象症例が限られるのみならず、対象症例であったとしても、肝生検の同意が得られない症例が散見されているため、肝組織データが欠損データとなるため対象外としていた。症例数確保が進まない場合には、肝生検が施行できなかった症例も除外せずに非侵襲的評価の検討症例に含めていくことを視野に入れる。
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Causes of Carryover |
世界的なCOVID-19感染拡大に伴い、学会等の出張は行わず、オンライン参加となることが多かったため想定していた予算額との乖離が生じた。
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