2021 Fiscal Year Research-status Report
The association between genetic background and 3 dimensional morphology in young patients with mitral valve prolapse
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21K08060
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
武井 康悦 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70384980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 夏子 東京医科大学, 医学部, 准教授 (10424368)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 僧帽弁逸脱症 / 遺伝学的検査 / 心臓超音波検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者社会の到来に伴い、心不全患者は2030年には130万人以上になると推定され心不全の有病率は急速に増加している。心臓弁膜症は心不全の主要な原因疾患であり、粘液腫様変性肥厚を起因とする僧帽弁逸脱症(mitral valve prolapse: MVP)は人口の2~4%(人口約30人中1人の割合)と報告されており、進行性の僧帽弁逆流や心房細動発症による心不全および心臓性突然死のリスク要因とされている。本研究では、若年性MVPにおいて僧帽弁の形態異常と逆流の重症度を2次元および3次元心エコー法で解析し、各病型の遺伝学的変異との関連を詳細に検討する。僧帽弁逸脱症例の遺伝学的背景を若年期から調査することで、結合織疾患を含めた全身性遺伝性疾患との関連性を明らかにすることを目的としている。 現在前向きに年齢60歳未満の若年性MVPの症例登録を進めているところである(現在19例:平均年齢36歳±15歳)。症例の多くは定期健康診断で心雑音を指摘されて紹介となった症例で、無症候性の症例であった。しかし一部の症例では高度なMVPと逆流を認め、かつ発作性心房細動を合併していたため僧帽弁手術の適応となる症例もいた。統計学的な差は出ていないが男性で形態的及び逆流の重症度が高い傾向がみられた。家系解析は数家系で行うことができた。これまで1家系のFLNAの病的変異と1家系のMYH11の病的変異を見出しており、いずれも僧帽弁前尖の偏在性の肥厚を有するFED型であった。高度な逆流を伴う男性症例ではBarlow型であり、遺伝学的解析ではFLNAの病的変異であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は年間20名(3年間で60例)の症例登録を目指したが、COVID19の影響で健康診断での紹介例が減少したこと、および多くの症例では軽症の逆流のみで、かつ若年での遺伝学的検査に対して消極的な症例が目立ったためであった。2021年度に入り徐々に健康診断での指摘と紹介例が徐々に増加しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
目標症例数を目指し、更なる症例の登録を継続する。遺伝学的変異が判明した場合の家系解析を進める。
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Causes of Carryover |
COVID19の影響他のため登録症例が目標に到達できなかったことで遺伝学的検査に使用予定の試薬の購入が少なくなったため。また同じくCOVID19での研究発表機会が減少したため。さらに症例登録を進め、次年度に繰り越して使用をする。
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