2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K08062
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
深澤 隆治 日本医科大学, 医学部, 准教授 (80277566)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 隆治 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00328783)
三浦 典子 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (30218036)
高野 仁司 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90277533)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 川崎病 / 早期動脈硬化 / スタチン / ACE阻害薬 / 急性冠症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に動物実験の基礎研究において実績を得ることができた。 Candida Albicans Water Soluble Fraction (CAWS)を用いた川崎病モデルマウスの基礎実験において、血管炎を惹起したマウスの大動脈プラーク面積がコントロールに比較し有意に促進されることが確認できた。CAWSを5週齢のApoE-/-マウスに腹腔内投与し、川崎病類似の血管炎を惹起することができた。このマウスを12週齢(ヒトでは若年成人に相当)および16週齢(ヒトでは中年~初老期に相当)に屠殺、大動脈プラーク面積を計測したところ、コントロールに比較し血管炎群では有意に大動脈プラーク面積が増加していた。 さらにスタチンの投与にて大動脈プラーク面積は抑制されることが証明された。興味深いことに、CAWS投与終了後からスタチンを開始したマウスと投与終了6週後からスタチンを開始したマウスとでは16週齢時の大動脈プラーク面積に有意差を認めなかった。これは、動脈硬化治療においてスタチンの投与開始の時期は問わないことを意味する。さらに動脈壁に浸潤したマクロファージもスタチンにより有意にその浸潤が抑制され、血管炎そのものがスタチンにより抑制されることが証明された。 一方血清学的検討では、マウス血清LDLコレステロールは、コントロールと血管炎マウス、スタチン治療マウスの間で差は認められず、マウスにおけるスタチンの動脈硬化抑制作用はコレステロール低下作用よりもpleiotropic actionがより強く作用していることがうかがわれた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画では、川崎病既往の成人を対象とした臨床研究も計画しているが、まだほとんど進めることができていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
川崎病血管炎モデルマウスを用いた基礎研究では、炎症性サイトカイン等の解析を行い研究結果を論文化していく。 臨床研究においては、早急に倫理委員会の承認を得て、川崎病既往者の動脈硬化リスクおよび急性冠症候群既往の調査などを進めていく。
|
Causes of Carryover |
共同研究者に未執行額が生じたため
|