2021 Fiscal Year Research-status Report
経胸壁心エコー図で奇異性脳塞栓症に関連する卵円孔開存を診断する研究
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21K08080
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高谷 陽一 岡山大学, 大学病院, 助教 (10794290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 晃志 岡山大学, 大学病院, 講師 (70726132)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 卵円孔開存症 / 脳梗塞 / 心エコー / コントラスト / カテーテル治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵円孔開存(patent foramen ovale: PFO)は奇異性脳塞栓症と深く関連しており、本邦においても奇異性脳塞栓症の再発予防に対してPFOカテーテル閉鎖術が開始されている。しかし、PFOは健常人の約15~27%に認めるため、奇異性脳塞栓症を発症し得るPFOであるか否か、判断することが重要になってくる。本研究は、多くの施設で簡便に施行可能な汎用性が高い経胸壁心エコー図で、奇異性脳塞栓症に関連するPFOの右左短絡量を明らかにし、それらをGradingすることで、明確な基準を作成することを目的とした。 奇異性脳塞栓症群と非奇異性脳塞栓症群で、経胸壁心エコー図のバブルコントラストを比較したところ、奇異性脳塞栓症群では、有意に右左短絡量が多い傾向であった。また、Grading評価では、Grade 4を認める頻度が著明に高く、Grade 3も高頻度に認める傾向であることが明らかになった。これらの結果から、経胸壁心エコー図のバブルコントラストでGrade 3以上を有するPFOは、奇異性脳塞栓症と関連が深くハイリスクであることが推測され、PFOカテーテル閉鎖術の適応を考慮するうえで、非常に有効な指標となり得ると考えられた。 本研究は、循環器領域だけではなく脳卒中領域においても、PFOカテーテル閉鎖術の適応を判断するうえで、非常に重要なエビデンスになり得る可能性がある。さらに、症例数を重ねて、より正確な指標を作成できるよう、検討を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、経胸壁心エコー図のバブルコントラストで、奇異性脳塞栓症群は、有意に右左短絡量が多く、Grading評価では、Grade 4、Grade 3を高頻度に認めることが明らかになりつつある。症例数も確保できつつあり、本研究はおおむね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、PFOカテーテル閉鎖術の適応を判断するうえにおいて、非常に重要なエビデンスになり得る可能性がある。そのため、大規模な症例数で結果を得られるように、さらに検討を続ける予定である。
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Causes of Carryover |
本年度はコロナ禍のため、国内外の学会、研究会ともオンライン開催が主体で、旅費の使用が無かったが、次年度は現地開催を行う学会が増えてきており、旅費の使用に充てる予定である。また、論文の校正・投稿費用も発生すると考えられる。
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Research Products
(6 results)