2022 Fiscal Year Research-status Report
心筋マクロファージの細胞老化に着目したHFpEF病態解明と治療法開発
Project/Area Number |
21K08085
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
澤城 大悟 自治医科大学, 医学部, 講師 (40456132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 翔大 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (60784288)
相澤 健一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70436484)
木村 夏花 自治医科大学, 医学部, リサーチ・レジデント (90884453)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心筋マクロファージ / 細胞老化 / HFpEF / 極性変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「加齢・肥満・圧負荷により心臓マクロファージにSenescenceが誘導され、心筋線維化や機能低下といったHFpEF病態を引き起こす」との仮説に基づき、主に2つの目的、 (1) マクロファージ細胞老化のHFpEF発症メカニズムへの関与の解析と(2)同メカニズムを標的とした特異的治療法の開発と効果検証を目指す。 1)R3年度はCXC3R1-GFP(組織マクロファージ標識)マウスの購入をおこない、IVF/ETによるクリーニング後、順調に繁殖を重ねた。現在、加齢・肥満・圧負荷(TACモデル)等、慢性心筋ストレスモデルを導入し、心筋マクロファージへのSenescence誘導と細胞機能障害・心筋ニッチ構成細胞への影響の検証をすすめている。R4年度では上記病態によるCXCR31-GFP及びCCR2-RFP発現心筋マクロファージのpopulationの相違をフローサイトメトリーにより確認しており、今後の細胞単離等解析に応用していく予定としている。またマクロファージ極性変化薬を用いて病態形成への影響をマクロファージpopulation変化とともに捉えることを目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CXC3R1-GFP及びCCR2-RFP(組織・血球由来マクロファージ標識)マウスの導入、繁殖は順調に推移している。またフローサイトメトリーにより心マクロファージでのGFP発現も確認をおえている。今後は各マクロファージpopulationでの細胞老化マーカーやエピジェネティクスマーカーの解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
上記モデルにおいてGFP陽性心臓マクロファージのsortingを行い、Senescence発現確認(p16発現・H3K9tri-methylation等)を行う。各ストレスモデル特異的Senescence reprograming patternを同定する。 更にマクロファージ細胞機能(phagocytosis assayや細胞外フラックスアナライザー・Metabolome解析による代謝モードの変化等)、共培養による近接他種細胞(心筋細胞・心線維芽細胞・内皮細胞)への影響を併せて検証する。 心筋マクロファージ細胞老化マウスモデルに対し、心エコーStrain-rate及びMillarカテーテル心内圧・PV曲線解析による鋭敏なパラメーターを用いた心機能評価を行う。マクロファージ細胞老化プロファイルと心機能低下の関連を検証する。
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Causes of Carryover |
R4年度は主にモデルマウスの繁殖・維持に傾注し、試薬使用が少なかった点が理由として挙げられる。R5年度以降でこれら助成金は主に心筋マクロファージ解析(フローサイトメトリー試薬・機器使用代金、病理標本作成・免疫染色解析)に使用する予定としている。
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