2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of pathogenesis in high-risk group hypertrophy cardiomyopathy
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21K08089
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
稲垣 夏子 東京医科大学, 医学部, 准教授 (10424368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 丈晴 東海大学, 医学部, 教授 (90287186)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 肥大型心筋症 / 拡張相肥大型心筋症 / RBM20 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイリスクグループの肥大型心筋症(Hypertrophic Cardiomyopathy:HCM)である拡張相肥大型心筋症(Dilated-phase of HCM:D-HCM)を発端者とするHCM家系の家系解析を行い、Cardiac Splicing Factor RNA-binding Motif Protein(RBM20)をコードするRBM20遺伝子にヘテロ接合体のミスセンスバリアント病的バリアントArg636Hisを同定した。このバリアントは一般集団では非常に稀で、機能的に重要なドメインに位置し、これまで同一バリアントを有する拡張型心筋症(Dilated cardiomyopathy:DCM)家系の複数の報告があることから、本症例の病因であると考えた。RBM20はスプライシング制御因子であり、RBM20遺伝子の変異により、Titin遺伝子(TTN)のスプライシング以上が生じ、構造タンパクであるTitinのスプリング機能が低下することによりDCMを来すと報告されてきたが、RBM20はTitin以外にもカルシウム関連タンパクを含む30種類以上のタンパクのスプライシングに関与することも報告されている。近年ではカルシウム関連タンパク異常によるHCMの報告があることから、RBM20遺伝子は新たなHCMの原因遺伝子として検討すべきであると考え、のHCMの新規原因遺伝子である可能性があると考えた。我々は、この研究結果を「Pathogenic variant of RBM20 in a multiplex family with hypertrophic cardiomyopathy」と題してHuman Genome Variationに報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハイリスクグループの肥大型心筋症である拡張相肥大型心筋症の家系において原因遺伝子を見出し、研究結果を「Pathogenic variant of RBM20 in a multiplex family with hypertrophic cardiomyopathy」と題してHuman Genome Variationに報告を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
RBM20遺伝子に病的バリアントを同定した家系内において、遺伝子変異に伴う機能変化に対してゲノム編集技術などを用いて、病的バリアント有する心筋細胞、またモデル動物を作成し、変異に伴う生理学的機能変化、主要な心肥大、心不全マーカー遺伝子やタンパクの発現変化を中心に詳細に検を行う。また、引き続き、新たなハイリスクグループの家系解析を行い、更なる原因遺伝子の同定を行う。
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Causes of Carryover |
学術集会、研究会参加の旅費として計上していたが、COVID-19感染拡大のため、学術集会の開催形式がオンラインに変更されたため差額が生じた。次年度に繰越、論文投稿費等に計上する予定である。
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