2021 Fiscal Year Research-status Report
ダウン症児の指尖脈波による血流依存性血管拡張反応を用いた血管内皮機能の検討
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21K08092
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
尾崎 智康 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (00774168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 勘太 大阪医科薬科大学, 医学部, 特別職務担当教員(講師) (20408503)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血管内皮機能 / 動脈硬化 / メタボリックシンドローム / ダウン症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダウン症候群の小児において動脈硬化性病変の初期段階である血管内皮細胞機能を低侵襲的に評価することである。ダウン症候群患者に対する動脈硬化の初期段階である血管内皮機能障害の非侵襲的検査は、安静保持などの点で困難であり、今までなされていなかった。Endo-PAT2000による血流依存性血管拡張反応(=FMD)計測は、超音波診断装置によるFMD計測より、わずかな姿勢の変化による誤差は少ないと考えられ、血管内皮機能障害の非侵襲的評価が可能になることが予想される。 これを受けて、検査を進めたいのだが、パイロットスタディとしてEndo-PAT2000を用い対象年齢を上回るダウン症候群の方で検査を実施してみたが、なかなか安静に出来なかったり、指を動かしたりすることで計測が困難な場合があった。実際対象年齢のダウン症候群の児で測定にトライしてみたが、同様のことがあり研究に遅れが出ている。過去に健常児や肥満児でのデータ収集は概ね問題なくできたが、先天性心疾患術後の児で、発達遅滞を伴う児では計測が困難なケースがあった。 ダウン症候群の血管内皮機能については、これまで全く報告がなく、本研究で得られたデータは貴重である。現在、そのほとんどが成人期に達するダウン症候群の健康管理の観点から、動脈硬化の初期段階である血管内皮障害の評価は非常に意義が高い。 対象基準に入るダウン症候群の児を出来る限り増やして、協力を頂けるようにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
対象患者のダウン症候群患者および対照となる健常者がなかなか集まらず、測定が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今回のエンドパットによる血管内皮機能の検査対象の基準に適合し、協力頂ける可能性のあるダウン症の患者さんの親に電話や書面で連絡を入れ、受診頂けるように依頼する。また、健常者がなかなか集まりにくいので、ダウン症候群のデータ収集だけでも急ぐ。
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Causes of Carryover |
EndoPAT2000導入のため、次年度の研究費の前倒しを行ったが、機器の価格および付属消耗品の購入数が予定より抑えられたことから若干の次年度使用額が生じた。次年度使用額は令和4年度の研究費とあわせて検体の測定費用や、検査に必要なEndoPAT2000の付属品購入に充てる予定である。
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