2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒト冠動脈における第三世代薬剤溶出ステント留置後の生体反応の検討
Project/Area Number |
21K08093
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
中澤 学 近畿大学, 医学部, 教授 (30564702)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 則人 東海大学, 医学部附属病院, 助教 (00780206)
鳥居 翔 東海大学, 医学部, 講師 (80816570)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | ステント / 冠動脈 / 第3世代薬剤溶出ステント / ステント血栓症 |
Outline of Annual Research Achievements |
剖検例の収集は順調に進んでおり、現在順次病理解析を行っている。 90症例の剖検例からステントが留置された178病変を解析した。その中から第二世代、第三世代の薬剤溶出ステント留置された63症例、112病変を抽出した。さらに一年以内の留置期間のものは34症例、49病変存在した為まずは症例について検討を行った。 第二世代、第三世代共に80%以上のステントストラットが内皮化されるためには留置後180日以上を要した。一方で留置期間が60日以内であればステントストラット上の内皮細胞が確認される頻度は10%以下であった。更に第三世代薬剤溶出ステントと第二世代薬剤溶出ステントにおける再内皮化のスピードにつき比較解析したところ、第三世代薬剤溶出ステントの方が良好なHealing profileを呈していることが判明した。特にこの差は留置後60日から90日時点でのもので差が明らかとなった。第三世代薬剤溶出ステントは薬剤とポリマーを血管壁側のみに塗布しているいわゆるAbluminal coatingを適応しているため、第二世代までの全周性のコーディングよりも内皮細胞の発育を妨げないものと考えられた。さらにこれらの再内皮化について急性冠症候群、表層の石灰化などの留置前に合った病変形態も影響を与えることが判明した。今後はステントストラット上のみではなく、ステントストラット間の再内皮についても検討していく予定である。 本結果は2022年ヨーロッパ心臓病学会で口頭演題として発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集を継続するとともに解析、発表を並行して行っており、結果も仮説に沿うものであるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
更に症例数を増加させるため、収集、解析を順次行っていく。 ステントの内皮化についてさらに詳細な解析を行っていく。
|
Causes of Carryover |
現在さらに症例数を増やしており、それに対する標本作成や解析のコストが発生する。 来年度はさらに学会発表などでの出張や論文作成のための費用に充当する予定。
|
Research Products
(1 results)