2021 Fiscal Year Research-status Report
腎組織SGLT2とAT1R-NHE3経路の相互作用による心不全進展機序の解明
Project/Area Number |
21K08102
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
土肥 薫 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50422837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 隆二 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (60378346)
片山 鑑 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90742247)
伊藤 弘将 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (50898195)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 循環器 |
Outline of Annual Research Achievements |
左室駆出率の低下した心不全(HFrEF)に対するSGLT阻害薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬併用による心腎障害の抑制効果およびアンジオテンシンIIタイプ1受容体およびNa+/H+交換輸送体3経路を中心とした分子機序をラット自己免疫性心筋炎モデルと心筋梗塞後心不全モデルを用いて検証するため、令和3年度は実験に用いるラットモデルの作成を行った。まず、HFrEFモデルとして、ブタ心筋より精製したミオシンをルイス・ラットに皮下注射して自己免疫性心筋炎モデルを作成した。既報をもとに6週齢のルイス・ラットに0.2mgから0.4mgのブタ心筋ミオシンの皮下注射および結核菌死菌1mg/mLを投与してHFrEFモデルを作成した。しかし、6週間後の心筋病理所見では、心肥大と心重量/脛骨長比の増加を認めた(コントロール群 0.194g/cm vs 0.250g/cm)ものの、平均左室内径短縮率(FS)は平均37.3%で、FS 40%未満となった個体の割合も78%とやや低く、HFrEFモデルとしては不十分な結果であった。そこで、安定的なHFrEFモデルを作成するために、ブタ心筋ミオシンの用量等を調整した。まず、週齢7週のルイス・ラットを1週間順応させたのち、8週のラットに0.25mg, 0.5mgおよび1.0mgのブタ心筋ミオシンを皮下注した(各n=2)。また、同時に投与する結核菌死菌量を11mg/mLに増量し実験を行った。その結果、1.0mgのブタ心筋ミオシン投与にてFS 20%への高度低下と心嚢水貯留を確認し、HFrEFモデルとして最適であると考えられた。上記の結果をもとに、心不全モデルの解析計画と薬剤投与プロトコルの準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
安定的なHFrEFラットモデルの作成にやや時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
HFrEFラットモデルにおける生体パラメータ評価、血液学的評価、病理学的評価、分子病態学的評価(遺伝子解析、プロテオーム解析)を行う。また、ラットモデルの上記解析が完了次第、薬物投与を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度に計画していた、HFrEFラットモデルにおける生体パラメータ評価、血液学的評価、病理学的評価、分子病態学的評価(遺伝子解析、プロテオーム解析)、および薬物投与を2022年度に行う予定である。
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