2021 Fiscal Year Research-status Report
心筋細胞内β受容体リサイクリング機構の解明と心不全創薬への応用
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21K08104
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 博之 大阪大学, 医学系研究科, 招へい准教授 (40581062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種池 学 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30609756)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心不全 / β受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
あらゆる心疾患の終末像である心不全に対する新たな治療法の開発が急務である。心不全においては、長期にわたる交感神経刺激により心筋細胞膜上のβ1アドレナリン受容体(AR)が脱感作・インターナリゼーションされた後、リサイクリングされないために細胞膜上のβ1AR数が減少し、カテコラミン不応性が出現することが病態の一因である。本研究では、Rubiconのエンドサイトーシス性分解調節が心筋細胞においてβ1ARを維持するメカニズムについて基礎的検討を行うことを目的とする。本検討により、心不全に対する新規創薬に繋がる分子標的を明らかにし、心不全治療への応用を目指す。 心筋細胞特異的Rubicon欠損マウスでは、横行大動脈縮窄術による圧負荷条件下で心不全を発症した。心不全発症後のRubicon欠損マウス心臓ではβ1ARタンパク質量は減少しており、心不全発症前でも減少していることを確認した。また、この心臓において、カテコラミン刺激に対する血行動態の反応性は低下しており、カルシウムハンドリングに関わる分子への影響も低下していた。なお、心肥大、線維化、炎症などに加えて、Rubiconのもう一つの役割であるオートファジー活性の変化については、対照群との間に明らかな差を認めなかった。 ラット新生児から単離した初代培養心筋細胞において、shRNAアデノウイルスを用いてRubiconをノックダウンしたところ、β刺激によりβ1ARの蛋白質量は早期に減少した。この蛋白質量の変化には、Rubiconによるリサイクリングの抑制効果が影響していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
心筋細胞特異的Rubicon欠損マウスおよびRubiconをノックダウンした初代培養心筋細胞を用いた検討により、不全心におけるβ1ARの減少に、Rubiconによるリサイクリングが関与していることを明らかとし、原著論文に発表した。そのため、現在までの進捗状況としては、当初の計画以上に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果に基づき、成獣単離心筋細胞や初代培養心筋細胞を用いて、Rubiconの有無によるβ刺激条件下での心筋細胞収縮力や細胞内カルシウム動態の変化について、生化学的手法や顕微鏡を用いて評価する。
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