2023 Fiscal Year Annual Research Report
心不全におけるグルタミン代謝制御機構の解明と新規治療戦略の構築
Project/Area Number |
21K08105
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 成美 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (20379415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杜 隆嗣 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (50379418)
長尾 学 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (70866029)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | グルタミン分解 / 心不全 / 心肥大 / 心臓線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ミトコンドリアにおけるグルタミン分解経路の多様な疾患との関連が報告されており、同経路の律速酵素であるグルタミナーゼが老化やがんの制御因子として重要であることが明らかにされている。申請者らはグルタミン分解経路と心臓リモデリングの関連について研究を行った。 アンギオテンシンIIを持続投与し、マウスに心肥大・心臓線維化を引き起こすモデルにおいては、グルタミナーゼの薬理学的阻害がそれらを抑制することを証明した。そのメカニズムとして、核酸合成や細胞増殖に必須である窒素の供給源であるアスパラギン酸に注目した。グルタミナーゼの阻害はグルタミンに由来するアスパラギン酸の心筋での合成を抑制し、心筋肥大に必要な"材料"が十分に供給されないことが、メカニズムの一端であると考えた。今後、心不全の新たな創薬ターゲットとして、心筋グルタミン代謝機構についてより詳細な検証が必要である。
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