2021 Fiscal Year Research-status Report
冠動脈プラーク内部に発生する応力評価を用いた高リスクプラーク同定の試み
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21K08106
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大竹 寛雅 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (60593803)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | plaque structural stress / OCT / 数値流体力学解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は数値流体力学解析(Computational Fluid Dynamic: CFD)を用いてプラーク外だけではなくプラーク内部から発生する機械的ストレス(plaque structural stress: PSS)を定量化する新たな手法を確立し、プラークの不安定化や破綻との関連を検討することを目的に本検討課題に取り組んでいる。これまで申請者らは、光干渉断層影像法(Optical coherence tomography: OCT)画像からCFDを用いて算出した様々な血行力学的因子が、プラークの破綻部位や破綻様式と関連することを報告してきた。しかしOCTのみで作成した3D血管モデルでは血管の屈曲やねじれを反映できず、PSSの評価は困難であった。また剪断力やWall shear stressを検討する際にも、OCTだけを用いた血管を直線化したこれまでのモデルでは、正確な評価が難しく、ひいては信頼度の高い心血管イベント予測は困難であることが予想された。そこで本検討課題では、まず最初のステップとして2方向の血管造影により構築した3D血管モデルにOCT画像を融合させる方法を確立すべく検討を開始した。現在まで、5例の血管造影、OCTを施行された患者のデータを用いて、2方向の血管造影により構築した3D血管モデルにOCT画像を融合させる方法に関する検討を行い、スムーズな解析の進行と、その方法論を確立するに至っている。その過程で愛媛大学理工学科機械工学講座:保田和則教授や愛媛大学医学部附属病院、清家史靖医師と、定期的にweb会議を施行、助言を頂きながら順調な計画の進行を認めている。今後はADINA 8.6.1 (ADINA R&D, Inc., USA)を用いてプラークにかかる剪断力やWSS, PSSを解析する方法を確立するべく実際の症例を追加し検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在まで、5例の血管造影、OCTを施行された患者のデータを用いて、2方向の血管造影により構築した3D血管モデルにOCT画像を融合させる方法に関する検討を行い、スムーズな解析の進行と、その方法論を確立するに至っている。その過程で愛媛大学理工学科機械工学講座:保田和則教授や愛媛大学医学部附属病院、清家史靖医師と、定期的にweb会議を施行、助言を頂きながら順調な計画の進行を認めている。3D血管モデルの構築に関しては順調に進んでいるが、PSSの解析段階にはまだ移る事ができておらず、当初予定していた解析ソフト、専用のPCの購入には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はADINA 8.6.1 (ADINA R&D, Inc., USA)を用いてプラークにかかる剪断力やWSS, PSSを解析する方法を確立するべく実際の症例を追加し検討を行う予定である。さらに、それらの方法論が確立すれば、当院を中心に行われたACS-OCTレジストリに登録された523症例の血管造影画像及びOCT画像をもとに血行力学的因子やPSSの解析を行い、その後の予後との関連を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
令和3年度予算として880,000円を設備備品として計上しているが、現在の解析段階においては既存の設備で対応可能であり新規に設備備品の購入に至っていない。しかしながら令和4年度にはPSSの解析が始まることから新規備品の購入やソフトの導入が必須でありそれらの予算を執行する予定である。また旅費についてはCOVIT-19のため学会が開かれず使用に至っていないが徐々にon siteでの学会が開かれてきておりこれまでの結果とともに令和4年度以降に使用予定である。
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